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ドイツの電力事情⑧-日本への示唆 今こそ石炭火力発電所を活用すべきだ-


国際環境経済研究所理事・主席研究員


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<石炭火力発電所の各国の発電効率(発電端、LHV)比較>


出典:Ecofys “International Comparison Fossil Power Efficiency 2012”

 日本の技術が米国、中国、インドの3カ国に導入すれば、約13億t、すなわち、日本の一年間の排出量に相当するCO2の削減が可能になると試算されているのは有名な話だ。


出典:エネルギー白書2008  http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/2008/1-2-2.pdf
 
 また、排出する硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)等の量も圧倒的に少ない。下記グラフは各国の石炭・石油・ガス火力発電のSOx、NOx排出レベルの比較であるが、日本の数値の低さは明らかだ。特に、電源開発株式会社の磯子火力発電所は、石炭火力であるものの非常に高い環境性能を誇り、日本の石炭・石油・ガス火力の平均よりも低い排出レベルとなっている。

<世界の火力発電からのSOx、NOx排出レベルの比較>


出典:海外データ(2005年値)IEA “Environmental Data Compendium 2006/2007” および IEA “Energy Balanses in OECD Countries 2008 Edition”
国内データ 日本(2010年度値)電気事業連合会、J-POWER磯子(2011年度値)J-POWER

 我が国が2050年にCO2排出量を80%削減するという目標は、決して軽んじられるべきものではないが、それだけのドラスティックな削減に必要なのは技術革新であり、そのためにはまず安定的かつ安価な電力供給を優先させることで企業の競争力を確保する必要があるのではないか。日本の高効率火力発電技術(設備のみならずO&Mも含めて)を諸外国に導入させ、世界全体での排出削減を図るためにも、日本の技術は維持しなければならない。
 このレポートを書きはじめたちょうどそのとき、環境省が入札募集実施を容認する見通しとのニュースが流れてきた(日本経済新聞3月17日)。安定電源の調達を巡る政府内の不整合が、現実的な解に落ち着くと言うことであれば良いのだが。

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