スマートメーターは「光の道」と似ている
-スマートメーターをメタボにするな
電力改革研究会
Policy study group for electric power industry reform
まずはiPhoneやiPadのようなHEMSの開発を
まとめると、政府の今の考え方は、全世帯に設置するメーターの機能は必要最低限のものに絞るとともに、より高度な機能はBルートの先のHEMSに期待するというものである。これによって、HEMSを必要としない世帯にとってはコスト最小化が、HEMSを希望する世帯にとってはサービスの拡張性・多様性が、それぞれ実現されると期待できる。高機能なスマートメーターに現段階でユニバーサルなニーズがあるとは考えにくいことを考えると、至ってリーズナブルな考え方と思う。また、スマートメーターに期待するIT関係の皆様には、画期的なサービスを実現する、誰もが購入したくなるようなHEMS、言わばiPhoneやiPadのような魅力的なHEMSを開発していただくことをまずは望みたい。
(参考)新しいタイプの電気料金メニューの説明
- ・季節別時間帯別料金(Time-of-Use:TOU)
- あらかじめ需要のピーク/オフピークに応じて、2つ以上の時間帯を設定し、ピーク時間帯には高価格、オフピーク時間帯には低価格の料金を適用するもの。
- ・クリティカルピーク料金(Critical Peak Pricing:CPP)
- TOUの発展形。特に需給状況が厳しい年間数回から数十回のクリティカルピーク時間帯に、通常のピーク時間帯の料金よりもさらに高価格な料金を適用するもの。この料金をいつ適用するかは電力会社が需給状況を踏まえて都度判断する。
- ・リアルタイム料金(Real-Time Pricing:RTP)
- その時々の需給状況に応じて、30分や1時間ごとに価格を変化させるもの。前日の卸電力市場の価格を適用する例が多い。
- ・ピークタイムリベート(Peak Time Rebate:PTR)
- クリティカルピーク時間帯に、CPPとは逆に、あらかじめ定めた基準需要(ベースライン)以下に電力消費を抑制した場合にリベートを支払うもの。
(参考文献)
スマートメーター制度検討会報告書
http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004668/report_001_01_00.pdf
スマートメーター研究会:東京電力発注のスマートメーター通信機能基本仕様に対する意見書(2012年4月20日)
http://www.gepr.org/ja/contents/20120423-04/
山田肇:電力会社はスマートグリッドへの抵抗勢力
http://agora-web.jp/archives/1443123.html