米国の温室効果ガス削減の中期目標達成は困難

米エネルギー情報局の2012年予測で明らかに

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 米エネルギー情報局(EIA)は1月23日、米国の「Annual Energy Outlook 2012」のEarly Release Outlook(以下、「AEO2012概要版」。全体版は2012年春発表予定)を公表した。このAEO2012概要版のなかで示されたリファレンス・ケースは、米国のエネルギー政策を議論するうえで基本となるシナリオであり、2035年までのエネルギー源別、セクター別などのエネルギー需給の見通しやエネルギー起源の二酸化炭素(CO2)の排出見通しが記載されている。ところが、ここで示された排出量と、米国がコペンハーゲン合意以来掲げている温室効果ガス排出削減の中期目標(2020年に2005年比で17%削減)には、大きな隔たりがある。

 AEO2012概要版を見ると、米国のエネルギー起源のCO2 排出量は2007 年に60億tを超えたが、リーマンショックのあった2008 年以降は60 億tを下回っている。今後は徐々に増加するが、2035年でも60億tを超えないと予測されている。2035年にはエネルギー使用量が2010 年比で10%増加するが、CO2排出量は3%の伸びに抑えられている。さらに、GDP(国内総生産)当たりの排出量で見ると、この期間中に45%減少するとされており、低炭素化が進むと予測している。

米エネルギー情報局は米国の低炭素化が進むとの見通しだが・・・

AEO2012概要版によると、2010年以降、米国のエネルギー起源のCO2排出量は漸増するものの、2035年までに年間60億t以下で推移すると予測する(縦軸:10億t-CO2、出所:AEO2012 概要版)