服を長く着るコツとアップサイクルなどでお得に処分
丸山 晴美
消費生活アドバイザー
物価が高騰中の現在、食品だけではなく衣類の値上げも続いています。ファストファッションも値上げが続いているため、買うものを厳選するようになったのはある意味エコかも知れないと感じることもあります。今回は服を長く着るコツと上手な処分方法などを紹介します。
デフレ時代の服を大切に着るために
デフレ時代には衣類の中でも生地や仕立ての良いものを安価に買うことができました。定番のコートやスーツなどまだ着られるものも多いでしょう。梅雨明け、秋、真冬など定期的に虫干しをして、湿気を取り除いて虫をつきにくくして管理しましょう。
虫干しの方法は、晴れた日に直射日光が当たらない、風通しの良い日陰に広げて、湿気を逃がすように風を通します。服を保管する際は、防虫剤と湿気取りを置いておくと良いでしょう。防虫剤は上、湿気取りは下の隅に置くと効果的です。
また、シーズンオフになったら、クリーニングへ出したり、自宅でクリーニングできるものはクリーニングしてから片付けるようにしましょう。
夏物など、汗ジミなどで黄ばむことがあります。そんなときは、洗濯表示を確認しつつホームクリーニングができるものなら、専用の洗剤を使ったり、身近なものを使うなら、重曹と食器用洗剤で擦り洗いや、ぬるま湯に溶かした酸素系漂白剤と重曹でつけ置き洗いをしてみましょう。
色落ちが心配な場合は、目立たないところに付けて確認してから洗いましょう。
ホームクリーニングが難しい衣類は、クリーニング店で相談してみましょう。
他にも、体型の変化で着られなくなることもあるため、ちょっとウエストがきついと感じるなら、入るように体型のコントロールを頑張ってみるのも一案です。
着なくなった服を上手に処分
着てみたものの、なんとなく似合わなくなってしまった、体型が変わり着られなくなってしまったなど、このままタンスの肥やしにするよりも、上手に処分したいものです。例えば、フリマアプリに出品して少しでもお金にするのもいいでしょう。出品が手間だと考えるなら、リサイクルショップへまとめて持って行くのも手です。その場合、これからシーズンを迎える衣類だと少し高めに買い取ってもらえることもありますが、あまり期待できない金額での買取りがほとんどです。他にも、ブランドの服は、それらを取り扱っている専門店でまとめて売った方が、1点1点査定してくれ、リサイクルショップよりは高めな金額で買い取ってくれます。
リメイクで新しい使い道に
着なくなった洋服の生地が傷んでおらず、柄などが気に入っているならリメイクをして、新たな使い道を考えてみてはいかがでしょうか。例えば、柄を活かしてティッシュケースやポーチといった小物入れにしたり、厚手の生地ならバッグにしても良いでしょう。他にも生地をつなぎ合わせてクッションを作ってもまた愛着がわきますね。服を生地として考えると、いろいろとアイディアが湧きそうですね。
「アップサイクル」でポイントなどに交換する
「アップサイクル」とは本来廃棄する予定だったものを活用して、新しい製品に変えることです。
アップサイクルは様々な企業で行われており、企業によっては特典やポイントをもらえることもあります。例えば、無印良品では下着、靴下、靴、バッグを除く自社の衣料品全般の店頭回収を行っており、期間中にアップサイクルに参加すれば、「3000MUJIマイル」がもらえるキャンペーンなどを定期的に行っています(https://www.muji.com/jp/re-muji/)。
オンワード樫山でも、自社衣料品の回収1点につき、500円相当のオンワードグリーンポイントがもらえるアップサイクルを行っています(https://www.onward.co.jp/green_campaign/information/index.html)。オンライン回収も行っているため、近くに店舗がない場合でも回収してもらうことができます。
他社製品でも引き取り可能な企業もある
アップサイクルは自社製品に限定している場合が大半ですが、他社製品も回収している企業もあります。H&Mでは他社製品も含め、靴下やジャケットなども含む衣類全般と、タオルやシーツ、カーテン、ラグなどのホームテキスタイルを回収しています(https://www2.hm.com/ja_jp/sustainability-at-hm/our-work/close-the-loop.html)。レジ袋や紙袋などに入れて店頭に持ち込めば回収してもらうことができ、1袋につき500円オフのクーポン券ももらえます。ただし、1日最大2袋の制限があるので注意しましょう。
洋服の青山でも、他社製品を含めて、メンズスーツやワイシャツなどのフォーマル衣料品を始め、ネクタイやベルト、靴などの小物類やレディース衣類まで回収しています(https://www.y-aoyama.jp/service/recycle.html)。アップサイクル利用時にスタッフへ声掛けすれば、当日から使えて、メンズ・レディース服はもちろんのこと、スーツやフォーマル、学生服など全アイテムに使える10%オフのクーポン券ももらうことができます。
ただのゴミとして処分するのではなく、何かしらの方法で最後まできちんと活用できると、家計にも環境にも優しいエネエコな生活ができそうですね。