世界気象機関、2021年のアフリカの気候状況を報告

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 世界気象機関(WMO)は、報告書「アフリカの気候の状況2021」を発表し、気候変動の影響により人の健康と安全、食料と水の安全保障、社会経済的発展が脅かされ、過重な負担を強いられているアフリカの現状を報告した。2021年のアフリカは史上3番目か4番目に暑かった。東アフリカでは近年連続して雨季に降雨量が少なく、厳しい干ばつに襲われた。一方で南スーダン、ナイジェリアなどでは大洪水が発生した。干ばつと洪水はアフリカで最も懸念される災害であり、過去50年で干ばつは50万人超、洪水は2万人超の死者を出している。海面上昇は世界平均を上回る速度で進行している。陸水の縮小、氷河の後退も著しい。
 気候はアフリカの食料と水の安全保障に大きな影響を及ぼしている。アフリカの農業生産性の伸びは気温上昇によって低下しており、食料不足のリスクが深刻である。また4億人以上が基本的なレベルの飲料水を欠く。
 報告書は、早期警報システムの強化、国境を越えた協力、データや知識の共有、適応策への投資、統合的水資源管理の推進などの必要性を訴えている。
【世界気象機関】