洋上風力発電 コスト予測と実績

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監訳 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹 杉山大志  訳 木村史子 

本稿は、Andrew Montford, Offshore Wind: Cost predictions and cost outcomes, The Global Warming Policy Foundation Briefing 52
Offshore Wind: Views on costs from advocates and industry (thegwpf.org)を、The Global Warming Policy Foundationの許可を得て翻訳したものである。

概 要

 公的機関を含む風力発電推進派は、洋上風力発電のコストが劇的に低下していると主張している。この論文では、これらの主張を裏付けるために彼らが提示した数字を、監査済み会計と実際の稼働データに基づき、英国の洋上風力発電所の3つの包括的なレビューと比較した。また、次世代風力発電所の資本費予測と風力発電所の開発者が発表した声明との比較も行っている。
 彼らは風力発電のコストはここ数年急速に低下していると主張するが、それでも平均してガス火力発電所の数倍のコストであるというのが全体的な理解である。
 それにも関わらず、2019年、2020年に建設される風力発電所のコストは劇的に低下し、将来的にはさらに低下することが予想されると彼らは述べている。
 だがこれらすべての予測の資本費に関する要素は、風力発電所開発業者自身が提示した数字と大部分が矛盾している。
 2019年に試運転を行った唯一の洋上風力発電所であるベアトリスの財務会計は、推進派の試算値を実際には達成できないことをすでに示している。
 浅い海域に建設されるドッガーバンク風力発電所は、コストがやや低くなる可能性がある。しかし、今後建設されるほとんどの洋上風力発電所では、コストは 125-150 ポンド/MWh 程度となり、ガス火力発電所の発電コストの約4倍になると考えられる。

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