“第一生命らしい”ESG投資を通じた脱炭素社会の実現への貢献

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 気候変動問題は、グローバルに事業展開する第一生命グループにとっても、お客さまの生命や健康、企業活動、社会の持続可能性などに大きな影響を与えうる重要な経営課題と認識しております。こうした認識のもと、中期経営計画にて、気候変動問題への対応を継続的に強化する領域の一つとして位置付けて、各種取組みを推進しています。
 その取組みの一つとして、グループ中核子会社の第一生命保険(以下「第一生命」)の資産運用(=ESG投資)が挙げられます。気候変動問題をはじめとするグローバルな社会課題の解決に向けて、日本全国の約1,000万名の保険契約者からお預かりした約36兆円の資金を幅広い資産で運用する「ユニバーサル・オーナー」としての視点で、以下の重点テーマを掲げ、第一生命自身のESG投資の積極推進・取組高度化を実施しており、運用収益を獲得するだけでなく、社会課題の解決に貢献していくことも第一生命の使命であると認識しています。

■「気候変動の緩和」   :グローバルの社会課題
■「地方創生・地域活性化」:日本の社会課題
■「お客さまのQOL向上」 :第一生命グループの価値創造の注力分野

 加えて、成長ステージ毎に異なる投資先企業の課題に中長期的視点で寄り添い、スチュワードシップ活動(投資先企業との対話)や普及促進取組みを通じて日本の社会全体(企業・投資先)の取組みレベルアップへの貢献を目指しています。具体的には、「気候変動問題をはじめとする社会課題解決に向けた取組推進」、「ガバナンス体制の整備」等の課題解決を後押しし、企業価値向上の支援に取り組んでいます。

 したがって、これからの時代においても、グループミッション「一生涯のパートナー」として、保険契約者をはじめとするお客さま・社会に寄り添い、資産運用を通じて社会課題の解決に貢献していきたいと考えています。さらには、お客さまに対する受託者責任を果たすべく、持続可能な社会の実現に向けたESG投資の取組を一層力強く進めるため、2020年4月に「第一生命のESG投資の基本方針」を新たに制定しました。
 「脱炭素社会」に向けて、第一生命は、本基本方針に基づく以下の①~③の取組推進により、ネット・ゼロエミッション技術等の開発、普及・実装に取り組む企業等に対する投融資に積極的にチェレンジし、環境と成長の好循環を実現していきます。

第一生命のESG投資の基本方針

  • 中長期視点で幅広い資産を保有するユニバーサル・オーナーとして、ESG投資を資産運用の柱として位置づけ、運用収益の獲得と社会課題解決の両立を目指します。
  • “第一生命らしい”ESG投資として、「ポジティブ・インパクトの創出」や「エンゲージメント」に力点を置いた取組を推進します。
  • ① 第一生命が設定する重点的な社会課題(気候変動の緩和、地方創生・地域活性化、QOL向上)の解決に向けた投融資(2023年度迄に累計投資金額を倍増以上)を通じた社会へのポジティブ・インパクトを創出します。
    • グリーンボンド・ソーシャルボンド等のSDGs債や国内外の社会インフラ整備に資するSDGs事業等に積極的に投融資します。
    • 革新的なイノベーションの創出に向け、成長企業・ベンチャー企業への投資(インパクト投資)を拡大します。例えば、再生可能エネルギーの普及等の低炭素社会への移行促進、革新的な環境イノベーションの社会実装支援を通じて、気候変動の緩和に取り組みます。
    • 社会的インパクトのモニタリング手法を確立し情報開示を強化します(運用ポートフォリオのCO2排出量や、投融資を通じたポジティブ・インパクト創出量について検討)
      (※)社会課題の解決に向けた累計投資金額(2019年度末時点):約5,500億円
  • ② 投資先企業のESG取組促進に向けたスチュワードシップ活動を通じて、社会課題解決に向けた企業の前向きな取組や行動変容を後押しします。
    • エンゲージメントの主要テーマとして「ESG取組」を設定し、投資先企業のESG課題に応じた情報提供および解決策の提案を実施します。
    • 「気候変動の緩和」に向け、企業の気候変動取組の促進や、気候変動がもたらす財務インパクトを含めた情報開示を促します。
    • 投資先企業を含む社会全体への影響力の発揮に向け、国内外の協働エンゲージメント団体やイニシアティブ等へ積極的に参画します。
    • 成長ステージ毎に異なる投資先企業の課題に寄り添ったエンゲージメントを通じて、対話内容も踏まえた適切な議決権行使を実施します。
  • ③ 全資産の運用方針・運用プロセスに、気候変動リスク等をはじめとするESGリスクを組込み(2023年度完了を目標)、運用収益獲得と社会課題解決を両立する資産ポートフォリオを構築します。
    • 各資産の運用方針やポートフォリオ構築プロセス、社内投融資ランクへのESG要素組込により、全資産で気候変動リスク等を踏まえた投資判断を実施し、ESGリスクの低減・機会の収益化を通じて、中長期的なポートフォリオのレジリエンスを強化します。
    • 社会の持続可能性の観点から高いリスクを有するセクターへの投融資を禁止します。

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