国連食糧農業機関、イタリアで第1回世界都市森林フォーラムを開催

印刷用ページ
 国連食糧農業機関(FAO)は、2018年11月28日から12月1日まで、イタリアで第1回世界都市森林フォーラム(WFUF)を開催している。フォーラムは世界各地の都市森林の計画・設計・管理の優良事例を共有し、都市森林の活用を促進する場として、FAOとイタリア森林育成・森林生態系学会(SISEF)、ミラノ工科大学、開催地のマントヴァ市が共催するもので、約50か国から市長、学者、森林管理者、ランドスケープ設計者、都市計画担当者など600人以上が参加している。
 都市の人口が急増するなか、適切な土地利用計画が伴わず自然環境や農業に大きな負荷がかかっている。その中で森林は汚染物質の除去、騒音緩和、気温調節、水資源の保護、土壌流出や洪水の防止など多様な機能を果たしている。例えば成木1本が吸収するCO2は最大で年間150kgに上り、樹木を建物の周囲に適切に配置すればエアコンの運転を30%減らすことができる。FAOは森林の機能を都市計画に織り込むことで都市の問題を緩和できるとし、1)適切な植林による都市の樹冠率の向上、2)ヒートアイランド効果の定期的モニタリングを通じた戦略的都市森林計画の策定、3)コミュニティガーデン・都市農業・壁面や屋上に植物を配置した建物の促進、といった対策を参加者らに呼びかけた。【国連食糧農業機関】