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先進的な取り組みに注目!「バイオマス産業都市さが」


国際環境経済研究所理事、東京大学客員准教授


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 2014年6月、佐賀市は、藻類を培養する日米合弁会社「アルビータ」に販売することに合意し、バイオマス利活用協定を結んでいます。2016年4月には、藻類培養施設が清掃工場の西に完成する予定です。(図2)佐賀市は、この事業により全体で40~50人の雇用が生まれることを期待しています。

図2「アルビータ藻類培養施設予定地」 出典:佐賀市

図2「アルビータ藻類培養施設予定地」 出典:佐賀市

下水道センターエネルギー創出事業

 下水浄化センターでは、下水汚泥を消化発酵させたときに発生する消化ガスを回収し、消化ガスによる発電に取り組んでいます。2012年度の年間発電量は、約3,417MWhで、下水浄化センター所内の電力の約42%を自家発電で賄った実績があります。

 消化発酵後の残さは脱水し、肥料原料として利用しています。下水汚泥由来の肥料は年間約1,427トン製造されていますが、これらの下水汚泥由来の肥料は全量を農家などへ販売しています。農業が基幹産業である佐賀市にとって、残さの利活用についても受け手を確保できる利点があります。

 佐賀市は、将来的に日本初の『電力自給率100%の下水処理システム』の実現をめざしており、下水汚泥に地域バイオマス(木質バイオマスや事業系食品残さなど)を混合し、消化ガスの発生量と発生電力量の増やしていく計画です。

 一方、地域バイオマスを混合すると、下水浄化センターでの水処理の負荷が高まるという問題が生じるため、水処理の一部に微細藻類を活用することで、水処理の負荷低減を行う予定です。(図3)

図3「下水浄化センターエネルギー創出事業」出典:佐賀市

図3「下水浄化センターエネルギー創出事業」出典:佐賀市

 今年5月13日には、佐賀市と東芝など民間企業6者にて、国土交通省の「下水道革新的技術実証事業B-DASHプロジェクト」(事業費約10億円)を実施することを発表しました。下水処理で発生するガスからCO2を分離、回収する全国初の実証事業に取り組みます。下水浄化センター内にCO2を分離回収するプラントと藻類培養設備を設置し、回収したCO2はミドリムシなどの藻類を培養する計画です。



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