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続・欧州のエネルギー環境政策を巡る風景感

-2030年エネルギー気候変動パッケージ(その1)-


国際環境経済研究所主席研究員、東京大学公共政策大学院特任教授


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 図2はEUワイドの再生可能エネルギー目標に対する各国のポジションであり、最も濃い緑色が27%以上の目標を志向する国々、次に濃い緑色が27%の拘束力ある目標を支持する国々、淡い緑色が27%の拘束力のない目標を支持する国々、赤が27%目標に反対している国々である。ここで興味深いのはしていた単一目標を主張していた英国が拘束力ある27%目標を支持する国として分類されていることだ。この分析が出された2014年10月時点では英国は「各国レベルの目標設定につながらないのであれば、EUワイドでの拘束力ある再生可能エネルギー目標も受け入れ可能」というポジションに軟化していた。英国のヒンクリーポイント原発プロジェクトをドイツが受け入れる(注:この2014年秋時点ではヒンクリーポイント原発プロジェクトについて国家補助に関する欧州委員会の調査が続いていた)ことの見返りとして英国がドイツの主張する再生可能エネルギー目標を受け入れたという穿った見方もある。

【図2:再生可能エネルギー目標に対する各国のポジション】(出所:Carbon Brief)

【図2:再生可能エネルギー目標に対する各国のポジション】
(出所:Carbon Brief)

 図3は省エネ目標に対する各国のポジションである。2014年1月のパッケージ案の時点では、温室効果ガスを40%削減するためには25%程度のエネルギー効率改善が必要との欧州委員会試算が提示されているのみであったが、その後の省エネ指令見直しの中で7月に「30%改善」という数字を提案した。ウクライナ危機を背景にエネルギー安全保障に対する関心が急速に高まる中で、エネルギー安全保障、気候変動対策双方に有効で費用対効果の高い省エネ対策への関心が高まったということであろう。最も濃い緑色がEUワイドで30%以上、次に濃い緑色がEUワイドで拘束力のある30%目標、淡い緑色が拘束力のない30%目標、ピンク色が「検討中」、薄い赤色が拘束力のない25%目標、濃い赤色が25%目標に反対している国々である。

【図3:省エネ目標に対する各国のポジション】(出所:Carbon Brief)

【図3:省エネ目標に対する各国のポジション】
(出所:Carbon Brief)

 3つの図を見るとポーランドを中心とする東欧諸国が欧州委員会提案の目標全てについて反旗を翻していたことがわかる。10月の欧州理事会でパッケージに合意できるかどうかは、東欧諸国の反対を抑え込めるかどうかにかかっていた。

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