桝本晃章 ブログ
これでよいのか日本!
グラフに見る石油・ガス史上最高値の時代と日本
桝本 晃章
国際環境経済研究所主席研究員、(一財)日本原子力文化財団 理事長
アメリカを除く世界の天然ガスも高価格化
天然ガスを見てみよう。日本にとっての天然ガスは、全て液化されて輸入されて来るLNGだ。日本が都市ガス用、そして、世界に先駆けて発電用燃料として、東ガス・東電共同でLNGを導入したのが1969年(昭和44年)に始まる。最初に輸入したアラスカ産LNGの価格は、当時の石油に比べ3割ほど高かったようだ。このことを頭の片隅に於いてグラフを見てみよう。
図-2は、天然ガス価格の推移を価格条件のフェーズを合わせ(ドイツの天然ガスは、パイプラインで輸入されているが、これもLNGと比較できるようフェーズ合わせがされている)、日米独英について比較してくれている。よく指摘されるとおり、日本の輸入LNG高価格が目立つ。しかし、ここで注目したいところは、安いシェールガスの生産増が続くアメリカを別にして、天然ガス価格もトレンドとして高価格化しており、特に、ここ数年はかってなく高くなっている点である。具体的価格の推移は、表-1にあるとおりだ。この表もBP統計からだが、有り難いことに右側には、原油のOECD諸国平均輸入価格が記載されていて、大いに参考になる。