ムダの少ない買い物をするためには(その2)
丸山 晴美
消費生活アドバイザー
4月からは、できるだけ「あるもので済ます」ことになるでしょう。これは、3月までに購入した在庫を使いながら、必要な分を買い足す考え方です。食費なら、ストック棚、冷凍庫、冷蔵庫の中のものの中でなにを優先して使いたいか、キーとなる食材を決め、他の食材と組み合わせながら1品作ることで、ムダが減ります。
購入時は、「予算を持って、空腹時を避けて、1人で行く」ことがムダを省いたスーパーでのお買い物のコツとなります。
例えば、予算を持たずに財布にただ現金が1万円入っている場合と、2,000円の場合ではどうでしょう。どちらも会計時は同じ金額になるでしょうか。多分、そうではないと考えます。なぜなら、誰しも会計時にお金が足りなくて恥ずかしいと思いはしたくはありません。そうなれば、2,000円という限られた予算の中で優先順位の高いものから、金額と相談して買い物をするでしょう。一方1万円の時はどうでしょうか。余裕があれば、必要なものも買いますが、それほど必要でないものもつい余分に買ってしまいがちです。こういった点で言うと、クレジットカードでの食品や日用品の購入は予算をオーバーしてしまいがちですので、気を付けるべき点でしょう。
そして、空腹や疲れた状態で買い物へ行くと、菓子パンやお菓子、総菜など、本来の目的のもの以外にもすぐに食べられるものを購入してしまいがちです。可能であれば、こうした状況で買い物へ行かないように、ネットスーパーやまとめ買い、まとめて半調理、半加工をして手間と時間を節約するようにしましょう。もし、空腹で疲れている時は飴をなめながら買い物をすると糖分が補給されいくらか判断能力が戻ることがあります。
さらに、買い物はできるだけ1人で行くことをおすすめします。1人で買い物へ行った方が冷静になれることもありますし、家族の誰かがカゴにお菓子やつまみを入れることもありませんから。週末の家族でレジャー代わりに買い物へ行くのもおすすめしません。1日買い物で過ごすことになり、お金がいくらあっても足りません。普段のレジャーはお買い物ではなく、公園や無料の開放スペースを利用して、手作りのお弁当と水筒にお茶を入れて楽しみ、年に1、2度家族旅行へ行く方が有意義なお金の遣い方だと考えます。
そしてまた、この増税では食品、日用品など生活のあらゆる場面で負担がかかります。そこで、できるだけムダな買い物を減らすためのアイディアとして、できるだけ買い物時はまとめ買いの時以外はカートを使わずカゴだけで買い物を済ませます。カゴだけで買い物をすることで、重さを感じることができて滞在時間を短縮することができます。カートを利用すると楽なため、つい売り場をあちこち移動して、必要以上の買い物をしてしまいがちです。必要なものを買い忘れないために、買い物前にはメモも忘れずに取っておきましょう。記憶したつもりでも、いざスーパーへ行くと忘れてしまうことがあります。そして後日忘れたものだけを買いに行っても、せっかく来たのだからとまた買い物をしてしまいがちです。こうした買い忘れを防ぐためにもメモも大切ですし、より慎重になるならば、会計前に再度カゴの中身をチェックしましょう。
カゴの中身を再点検することで、買い忘れのチェックができますし、必要以上に購入していないかといったチェックもできます。そしてまた、増税後は優先順位が低いものを1つ戻すといった作業をすることで、増税分の出費を抑えることができます。3,000円のお買い物であれば、100円程度もの1つでOKです。
これらのことを少し意識しながら日ごろの買い物をするだけで、ムダな買い物が減って使い切れずに捨ててしまったり、必要以上のゴミも出すことも少なくなるでしょう。