改めて「重要なベース電源」の意義を示すべき
我が国の「健康状態」と原子力の「効能」「副作用」を踏まえた説明を
堀越 秀彦
国際環境経済研究所主席研究員
平成25年11月に大手新聞社が実施した調査によれば、小泉純一郎元首相が主張する「原発ゼロ」に対して、概ね国民の6割が支持しているそうだ。
小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」主張を支持するか?
調査 | 支持する | 支持しない | その他 |
産経新聞社とFNNの合同世論調査 (11月16~17日実施、 電話調査、回答数1000) |
57.0% | 35.1% | 7.9% (わからない・ どちらともいえない) |
朝日新聞社が実施した全国定例世論調査 (11月9~10日実施、 電話調査、回答数1751) |
60% | 25% | 15% (その他、答えない) |
そのような中で、平成25年12月6日の総合エネルギー調査会基本政策分科会では、原子力発電は「安全性の確保を大前提に引き続き活用していく重要なベース電源」と位置付けられた。(平成25年12月6日 総合エネルギー調査会基本政策分科会第12回会合)
「原発ゼロ」が6割という世論とは乖離があり、「また、原子力ムラが裏で勝手なことをしている」という印象を持つ国民も多いのではないだろうか。
過去の世論調査をみると、原子力推進の支持率は概ね4割から6割で変動しながら推移してきた。そしていまは「原発ゼロ」が6割となっている。これまで調査研究を手掛けてきた個人的な感覚から言えば4:6というのは何とも中途半端な数字であり、これが事あるごとに増減を繰り返している。やや厳しめの言い方をすれば、我が国では原子力利用の是非についての国民的なコンセンサスは形成されてこなかったと見ることができる。
- 昭和35年6月
- 科学技術に関する世論調査
- 昭和43年3月
- 原子力平和利用に関する世論調査
- 昭和51年10月
- 科学技術及び原子力に関する世論調査
- 昭和53年2月
- 省エネルギー・省資源に関する世論調査
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- 省エネルギーに関する世論調査
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- 原子力に関する特別世論調査