2013年3月のアーカイブ
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2013/03/28
ブラッセルフォーラムで考えたこと(1)
3月15-17日に独マーシャル財団主催のブラッセルフォーラムに出席する機会を得た。マーシャル財団は、第二次大戦後の欧州復興をけん引したマーシャルプランに感謝の意を表明するため、1970年代初頭にドイツ政府のイニシアティブで設立された財団で、環大西洋(即ち米国と欧州)の関係強化を目的とするものだ。ブラッセルフォーラムは欧米の政・財・官・学の有識者を集めて様々なテーマについて議論をする場であり、今回で8回目になる。 続きを読む
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2013/03/26
電力改革、電力料金は下がるのか
アゴラチャンネル報告(エネルギー研究機関GEPR(グローバルエネルギー・ポリシーリサーチ)からの転載。)
エネルギー・環境問題の「バーチャルシンクタンク」であるグローバルエナジー・ポリシーリサーチ(GEPR)を運営するアゴラ研究所は、インターネット上の映像配信サービスのニコニコ生放送で「アゴラチャンネル」を開設して、映像コンテンツを公開している。 続きを読む
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2013/03/25
ドイツの電力事情⑧-日本への示唆 今こそ石炭火力発電所を活用すべきだ-
◯ドイツで石炭火力稼働が増加。温室効果ガス排出も前年比1.6%増
米国・シェールガス革命の影響は、意外な形で表れている。シェールガスを産出したことで同国の石炭価格が下落、欧州に米国産の安価な石炭が大量に輸出されたこと、また、経済の停滞や国連気候変動枠組み交渉の行き詰まりによってCO2排出権の取引価格が下落し、排出権購入費用を加えても石炭火力の価格競争力が増していることから、欧州諸国において石炭火力発電所の設備利用率が向上しているのだ。 続きを読む
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2013/03/19
東京都の電力販売に感じる違和感
東京都は保有する水力発電所からの電力を平成21年度から10年間の長期契約で東京電力に販売しているが、この電力を来年度から入札により販売することにした。3月15日にその入札結果が発表された。新電力と呼ばれる特定規模電気事業者であるエフパワー社が落札し、その価格は1kWh当たり14.5円と発表されている。今までの都の東電への売却価格は1kWh当たり約9円と報道されており、年間の都の収入は10億円から17億円に増加する。 続きを読む
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2013/03/18
たかがレジ袋されどレジ袋?
前回のブログにて、レジ袋の有料化についての記事を書きましたが、ちょっと気になるニュースがありましたのでご紹介したいと思います。
「長野県ではこの春からレジ袋の無料配布の中止を全県一斉実施で進めていましたが、これを断念し、地域を分けてレジ袋の無料配布の中止の実施に向けて動いている」 続きを読む -
2013/03/14
第11回 一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)常務理事 長谷川 英一氏
情報爆発の未来を支え、低炭素社会に不可欠な「グリーンIT」第11回目にご登場いただくのは、一般社団法人電子情報技術産業協会 常務理事の長谷川英一氏です。IT・エレクトロニクス技術は、高度な制御・管理による生産・流通・業務の効率化を通じ、あらゆる経済・社会活動の生産性向上、エネルギー効率の向上を可能とし、環境負荷の低減に大きく寄与することが期待されています。 続きを読む
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2013/03/12
WHO、福島原発事故の健康被害を予想せず
リスク向上は警告(エネルギー研究機関GEPR(グローバルエネルギー・ポリシーリサーチ)からの転載。)
世界保健機関(WHO)は2月28日、東京電力福島第一原子力発電所事故で放出された放射性物質による健康影響の評価を発表した。そのニュースリリース「Global report on Fukushima nuclear accident details health risks」(福島原発事故の健康リスクの国際報告)を翻訳して紹介する。 続きを読む
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2013/03/07
なぜ今、電力システム改革を行うのか?
仙谷由人「エネルギー・原子力大転換:電力会社、官僚、反原発派との交渉秘録」影の実力者、仙谷由人氏が要職をつとめた民主党政権。震災後の菅政権迷走の舞台裏を赤裸々に仙谷氏自身が暴露した。福島第一原発事故後の東電処理をめぐる様々な思惑の交錯、脱原発の政治運動化に挑んだ菅元首相らとの党内攻防、大飯原発再稼働の真相など、前政権下での国民不在のエネルギー政策決定のパワーゲームが白日の下にさらされる。 続きを読む
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2013/03/05
排水環境の負荷を減らし、そのままでは廃棄物になるものをバイオマス発電燃料に変える“エコリカバ―II”
環境技術事例&インタビュー廃水を浄化し、再生可能エネルギー燃料にもなる優れモノがあると聞きつけました。「エコリカバ―II」は、アミノ酸など天然成分の食品添加物や植物性界面活性剤からなる微生物活性剤を含む回収材で、グリーストラップ(阻集器)で、その能力をフルに発揮するそうです。廃水の油脂やたんぱく質、有機物を分解して水質浄化を促進し、さらに 続きを読む
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2013/03/04
コロラド州ボウルダ-市が市営電力事業を構想
米国コロラド州は、環境指向の強い州として知られている。米国では2013年1月の資料によると、29州とワシントンDCがRPS(総発電電力の内再生可能エネルギーからの電力が占める比率)を設定しているが、コロラド州は、RPSを2020年までに30%にするという目標の達成を州内の電力供給事業に課している。これはカリフォルニアの2020年までに33%達成に次ぐものである。 続きを読む
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2013/03/01
二兎を追った先にある悲劇
—電力自由化と再生可能エネルギー促進の同時追求をしたドイツ—先ごろドイツの有力紙Die Weltのインターネット版(2013/1/10)に、「忍び寄る電力供給の国有化」と題する記事が掲載された。脱原子力と再生可能エネルギーの大幅拡大という「エネルギー転換」(Energiewende)を果敢に進めるドイツで、なぜ「電力供給の国有化」なのだろうか。Die Welt紙は「エネルギー転換はコストを度外視すれば成功するだろう。しかし政府が助成や優遇措置により現在の電力市場に介入すればするほど、電力システムは収拾がつかなくなる」と述べている。ドイツの電力システムで今、何が起きているのか。 続きを読む