レジ袋の有料化とゴミ袋


消費生活アドバイザー

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 私が利用しているネットスーパーのレジ袋が有料になりました。私は、有料化前から買い物カゴを利用していたので、買い物カゴ利用時の割引が無くなった…くらいにしか考えていませんでしたが、お店の方にお話を伺ったら、「実は有料化でネットスーパーのカゴの利用者が減っている」とのことでした。有料化前のカゴ利用は、買い物カゴと、レジ袋の併用でした。ところが、有料化されたら配送商品のほとんど全てが買い物カゴでの配送になったため、その利用者が減ったとのこと。この理由は、レジ袋がもらえないと、ゴミ袋が無くなるとのことでした。このことは、私が環境セミナーなどでお話をしている際にも、よく出る質問の一つです。
 「買い物の際にエコバッグを使うと、確かにレジ袋のゴミは減るのですが、今度はゴミ袋が無くなり、結局はゴミ袋を買ってしまうことになる」と。
 確かに、今までレジ袋でゴミを捨てている人にとって、レジ袋が無ければ、新たにゴミ袋を買う必要が出てきます。
 有料のレジ袋が1枚2~5円だとしたら、100円分は50~20枚と考えることもできます。実際は、小さい袋1枚でも、大きな袋数枚でも同じ金額なので、一概には言えませんが、金額的に言えば、市販のゴミ袋が1枚2円以下で買えるのであれば、レジ袋をもらわずに市販のゴミ袋を購入するのがトクということになります。
 スーパーのレジ袋の利用には3通りあると思います。

1.
エコバッグのあるなしに関わらず、タダ。
2.
レジ袋は無料だが、エコバッグ持参で、ポイントの付与や現金割引が受けられる。
3.
レジ袋は有料、エコバッグ持参でも特典なし。

 これから考えれば、1のスーパーでは、レジ袋をもらう、2,3のスーパーではエコバッグを持参する。これが、一般的なもらいかたの考えかたでしょう。

写真は、カゴだけで来るネットスーパーの商品

 話は少し変わりますが、中国ではレジ袋が有料化されています。無料の時も知っているのですが、その時のレジ袋はすぐに穴が空いてしまうほど、柔な作りでした。ですから、中国(諸外国も同じ)へ行く際はエコバッグが必携です。旅行時にこのエコバッグにどれだけ助けられたか。それが有料化されてからしっかりしたレジ袋になりましたが、コンビニでの買い物で、ペットボトル飲料、パン、サンドイッチ、お菓子…など購入してもほとんどの人は、レジ袋をもらわずに手で持っていました。
 また、私が利用しているスーパーでは欧米の方も多いのですが、共通しているのが有料無料に関係なく、レジ袋をもらわず頑なにお弁当が斜めになろうが、リュックに詰め込む姿を何度か目撃したことがあります。

 では、レジ袋はどれだけのエネルギーが使われているのでしょうか。ある調査によれば、1枚(8.29g)あたり、664kJ※1のエネルギーを使い、約17mlの原油を使っています。年間、1世帯平均で315枚のレジ袋を受け取っているとの調査結果もあり、エネルギーに換算すると、209,160kJ=209,160kW、原油換算すると、5.4リットルとなります。209,160kWと言われてもわかりにくいので、例えるなら1,000Wのドライヤーを約5.8時間使い続けると同じくらいのエネルギーが使われていることに。そう考えると、1世帯だけでも相当な量のエネルギーを使っていることに気づくことができるのではないのでしょうか。
※1kJ=1000J(ジュール)のこと。1kJの仕事は、1キロワットの装置が1秒間にする仕事。
 結局のところ、ゴミ袋が有料化されている地域で生活している人は、エコバッグの利用でなるべくレジ袋のゴミを出さない工夫が必要で、ゴミ袋が有料化されていない地域で生活している人は、ゴミ箱にセット出来ない小さなレジ袋はできるだけ断り、ゴミ袋として使えるものは使い、必要以上に増やさないことがムダが少ないレジ袋の利用方法ではないかと思います。根本的には、ゴミを出さないような生活をすることも大切でしょう。
 個人的には、エコバッグは買い物時だけではなく、子どもの保育園での作品や汚れ物、仕事上で渡された資料などを入れるのに使いますので、一つあると便利です。

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