グリーン雇用という「神話」


国際環境経済研究所前所長

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 温暖化問題で論争の的になっている一つは、いわゆる「グリーン成長」が可能かという点である。具体的には、温暖化政策を進めること(主に規制的手段)で雇用を生み出し、経済発展をもたらすことができるかということだ。

 英国政府はグリーンエネルギー(太陽光や風力など。ここでは水力は含めない)を推進しているが、その政策目的として、エネルギーの安定供給に加えて雇用の創出を挙げている。しかし、本当にそれが可能なのか、懐疑的な見方が英国内から出てきた。エジンバラ大学の経済学者であるゴードン・ヒューズ(Gordon Hughes)教授が最近公表した論文(The Global Warming Policy Foundation GWPF Report 3)は、現実のデータ分析に基づいて、「グリーン雇用は神話だ」と結論づけている。この論文は、単に英国にとどまらず、日本を含む各先進国が同様の経済成長戦略を政策としていることから、大きなインパクトを持つだろう。興味深い分析内容を以下に紹介していく。