食品ロスと食費が減る主食の冷凍貯金術
丸山 晴美
消費生活アドバイザー
光熱費、食品の値上げなど、生活にかかわるさまざまなものの値上げが続いています。固定費の中には解約をしたり、契約プランを変更するなど、定期的かつ早めに行うことで節約効果が期待できるものがあります。しかし、日々の食費の節約も大切です。直近では家計の味方であるキャベツの価格が高騰しており、なかなか手が出ない状況が続いています。来年はお弁当を作ることになりそうなため、休眠していたプランターに種をまいて家庭菜園を増やすことにしました。
日々自炊生活をしていますが、誰しも自炊が得意ではなく、買っても食材が傷んでしまい処分をしてしまうなど、なかなか自炊が上手くいかない方に向けて、週末にまとめてできる主食の冷凍貯金術を紹介します。
自炊の基本は、炭水化物つまり主食を用意することです。主食の中でも、米、食パン、乾燥パスタは、買う場所や商品によってはまだまだお手頃な価格で手に入ります。これらを使って、主食の冷凍貯金をしてみましょう。とても簡単にできて、ロスになりにくく1週間の自炊生活をラクにしてくれますよ。ごはん、食パン、パスタの順にストックのコツを紹介します。
ごはん
ごはんは、まとめて炊いて冷凍庫にストックしておきます。炊き立てのごはんを小分け冷凍することで、レンジで温め直しても炊き立てのような味わいになります。
私が愛用しているごはん保存容器は、ジップロックコンテナーのごはん保存容器です。
炊き立てのごはんをこのように小分けします。
ごはん保存容器は3種類ありますので、用途に応じて使い分けることもできます。例えば朝ごはんとお弁当用に大盛りを温めて、半分は朝食用、半分はお弁当用にして、夜は一膳用、カロリーコントロールをしたいときは、小盛など使い分けてもいいですね。さらにこれらのコンテナーは、重ねることができます。
最初の写真のごはんは、このように積み上げて冷凍しています。コンパクトに収納できるので無駄なスペースができず、冷凍室の整理にも役立ちます。冷凍のコツは、炊き立てのごはんを容器に入れて、粗熱を取ってから冷凍庫へ入れましょう。粗熱を取ることで、冷凍庫の庫内温度の上昇が抑えられて、電気代の節約にもなります。
レンジで加熱するときは、フタをずらしてから加熱するのがコツです。
食パン
パンの値上げが続いていますが、その中では食パンは値上げがゆるやかです。常温保存していた食パンにカビが生えてしまった…という経験がある方も多いかと思いますが、食パンは冷凍することができます。1枚ずつラップに包んでジップ式のフリーザーバッグ入れて食べる分だけトーストします。フリーザーバッグにいれて保存することで乾燥やにおい移りを防ぎ、美味しさも保てます。これをアレンジして、味付けしてからラップに包んで冷凍保存することで、焼くだけ簡単トーストの完成です。
食パンの厚さはお好みですが、今回は8枚切りの食パンを使用して、明太子スプレッド、ピザトースト風、シュガートースト、ガーリックバターをそれぞれ2枚ずつ4種類の味にしました。その時の気分によって好きな味を選ぶのも楽しいですね。
パスタ
パスタは乾麺をまとめてゆでてから小分け冷凍をします。
今回は、1.6mmのパスタを使用しました。乾麺は太さによってゆで時間が異なりますが、ゆで時間マイナス1分で麺をざるにあげます。麺をボウルに移したら、麺がくっつかないように、オリーブ油もしくはサラダ油を麺にまぶします。
乾麺のままゆでてもいいのですが、水漬けパスタにしてから麺をゆでると、ゆで時間が短くなるのでおすすめです。パスタが入るケースに、乾麺と塩大さじ1、水を多めに入れて、2時間浸水させます。その後沸騰したお湯で約1分間、麺が透き通るくらいゆでるだけです。
今回は、1袋500gの乾麺をゆでましたが、一般的な1人前のパスタの乾麺量は100gですので、5等分になるように計ります。オイルを入れた後の重さが1099g、1食分が約219gでしたので、ラップに包んでからジップ式のフリーザーバッグに入れて小分けにします。
食べるときは、凍ったまま沸騰したお湯に入れて、1分ゆでるだけです。あとはお好みのパスタソースに和えるだけです。
ごはん容器やジップ式のフリーザーバッグは再利用ができますので経済的ですよ。
これらの冷凍された主食を休日にストックしておくだけで、忙しい日でも家に帰れば加熱するだけで手早く主食が用意でき、食品のロスが減り、食費の節約につながります。