メガソーラーが日本を救うの大嘘


キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹

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 いま問題が噴出している太陽光発電について、宝島社から共著で「メガソーラーが日本を救うの大嘘」を上梓した。執筆陣はまさにオールスターで、日本においてこの問題を論じる最高の顔ぶれになった。以下に紹介しよう。

 筆者杉山大志はいま1人の東京都民として小池都知事が進める新築住宅への太陽光発電義務化に反対する請願を出している。本書冒頭では、その東京都の義務化の問題点を論じた。

 次いで、市民団体「全国再エネ問題連絡会」を率いてメガソーラー事業者と対決する山口雅之氏がメガソーラーの乱開発の現状について報告。小池都知事に敢然と立ち向かう上田令子都議は都民を置き去りにした太陽光パネル義務化条例検討の拙速を批判する。

 加藤康子元内閣官房参与は国益を論じ再エネ議連に乗っ取られているエネルギー政策の転換を訴える。川口マーン恵美氏はとかく美化されるドイツのエネルギー政策の破綻ぶりを暴く。経済安全保障に詳しい平井宏治氏は上海電力など中国企業の日本へのステルス算入に警鐘を鳴らす。

 元経産省でプロの国際交渉官だった有馬純氏は途上国に再エネを押し付ける先進国の二枚舌を糾弾し、元商社で排出量取引の先駆でもあった山本隆三国際環境経済研究所所長は再エネが経済にも電力安定供給にも有害と断じる。

 異色の情報学者掛谷英紀氏は、なぜ再エネではバラ色のウソが流布するのか、なぜ御用学者がはびこるのか、鋭く解説する。自ら環境・CSRの実務に携わった藤枝一也氏は、その虚構ぶりを摘発する。ラストはメガソーラーの乱開発に早くから警鐘を鳴らしてきた元産経新聞社の三枝玄太郎氏、太陽光利権に殺到したメディアや著名人が再エネ推進論者になっている構図を示す。

 多彩な執筆陣なので、必ずや、読者がまだ知らなかった側面があると思う。手に取って頂ければ幸いである。

【目次】

第一章 「太陽光発電が日本を救う」の大嘘

巨額の国民負担で〝ジェノサイド支援〞
東京都「パネル義務付け」はこんなにヤバい!
……杉山大志(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)


〝ザル法〞で全国に乱立するメガソーラー建設計画
人命や環境保護よりも再エネ推進が大事か
……山口雅之(全国再エネ問題連絡会 共同代表)


義務化強行の〝暴挙〞に出た小池都政が
「太陽光パネルファースト」に固執する理由とは?
……上田令子(地域政党自由を守る会代表、東京都議会議員)



第二章 環境原理主義が国民を不幸にする

ソーラー事業推進で日本だけが大損!
脱炭素の大号令に惑わされず、現実路線に転換を
……加藤康子(元内閣官房参与、評論家)


またもや大暴走するドイツ・緑の党
再エネ推しで「ロシア依存」を打破できるのか
……川口マーン惠美(作家)


日本の基幹インフラにステルス参入する中国資本
太陽光発電事業は侵攻の「隠れ蓑」なのか?
……平井宏治(株式会社アシスト代表)


第三章 再エネ推進が招くエネルギー危機

G7中心の歪な「環境原理主義」が
世界を分断しエネルギー危機を長期化させる
……有馬 純(東京大学公共政策大学院特任教授)


「再エネ賦課金」で電気料金が爆上がり
格差拡大と電力クライシスは現実になる
……山本隆三( 国際環境経済研究所所長)



第四章 太陽光マネーの「不都合な真実」

「再エネは社会に役立つ」という虚構
利権が絡めば科学者は平気でウソをつく
……掛谷英紀(筑波大学システム情報系准教授)


企業「環境・CSR担当」が告発
欺瞞に満ちたESG、SDGsと〝下請けいじめ〞
……藤枝一也(素材メーカー環境・CSR担当)


「再生エネ政策」礼賛一色の大手メディアが
〝負の側面〞について沈黙を貫くワケ
……三枝玄太郎(元産経新聞記者、フリーライター)