消費が変わる?「ブラックフライデー」と「グリーンフライデー」


消費生活アドバイザー

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 徐々に日本にも定着しつつある「ブラックフライデー」は11月の最後の木曜日に行われる感謝祭の翌日に行われるセールのことです。感謝祭の売れ残り一掃セール日ということもあって、小売店、消費者ともにビッグイベントとも言えます。アメリカの小売業界では、1年で最も売り上げを見込める日とされておりまた、年末商戦の幕開けを告げるイベントともなっています。

 国内ではそこまでメジャーなイベントではありませんが、Amazonや楽天市場、イオン、ヨーカドーなど多くの企業が「ブラックフライデー」を開催しており、数日から1週間程度の期間を設けて、年末のセールイベントの一つとして認知されつつあります。

 2022年は値上げに始まり、値上げに終わった1年でしたが、このようなビッグイベントにお買い物を考えている人も多いのではないでしょうか。
 もちろん、日用品など必要なものをそのタイミングでお得に買うことは生活者としては当然のことでしょう。問題なのは、セールだからといって後先考えずにその場の雰囲気に流されて衝動買いをすることです。このようなときにおすすめの買い物方法は、買うものをメモしておくことと、予算を決めておくことです。

 「ブラックフライデー」は、消費型経済の代表的なイベントとして認識されていますが、これからは、それだけではなく消費の中にも循環型社会に貢献できる、「グリーンフライデー」と称した持続可能な消費を促すイベントなどが、世界各地で開催されるようになってきています。
 国内ではまだまだ実施している企業は少ないですが、イケア・ジャパンでは2022年は11月11日から12月9日の期間でグリーンフライデーキャンペーンを実施します。この期間中はIKEA FamilyメンバーおよびIKEA Business Networkメンバーを対象とした、通常10%のイケアの家具の買取り価格を、30%に上乗せするものです。
https://www.ikea.com/jp/ja/campaigns/ca00-green-friday-pub7c634d80
 このほかにもイケアでは家具のスペアパーツを用意しており、パーツの紛失や不足にも対応するなど、サステナブルな取り組みをしています。

 他にもフリマアプリのメルカリでは「メルカリグリーンフライデープロジェクト」を開催しており、「ブラックフライデー」のタイミングで同イベントを行っています。
 昨年のプロジェクト実施時のコメントを引用させていただくと、

例えば、自分にとって不要になったTシャツを捨てずに「メルカリ」で出品し、必要とする誰かの手に渡れば、Tシャツを1枚生産するときに発生するCO2が抑えられます。Tシャツ1枚生産するときに新たに発生するCO2は約20kg。そのうち「つくる」際に発生するCO2は約13kgなので約65%抑えられます。このようにユーズドアイテムを売ったり買ったりしてファッションを楽しむことは、サステナブルなアクションにつながると発信するために今回のプロジェクトが発足いたしました。

オーストラリアの研究チームによると、Tシャツ1枚あたりのカーボンフットプリントは20.56kg-CO2。このうち64%が「つくる」、36%が「はこぶ」「つかう」「捨てる」過程の排出。
Shadia Moazzem et al, “Baseline Scenario of Carbon Footprint of Polyester T-Shirt”, Journal of Fiber Bioengineering and Informatics 11:1 (2018)
(カーボンフットプリントは素材や前提条件により、計算結果が変わるため、1つの参考値として掲載しています)。

出典:https://about.mercari.com/press/news/articles/20211005_sustaina-store2021/

 このように現在は購入時にさまざまな選択肢があります。値上げが続き、所得が増えない中で上手にやりくりする手段としても「ブラックフライデー」と「グリーンフライデー」を上手に使ってみてはいかがでしょうか。