15歳からの地球温暖化
杉山 大志
キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹
いま子供たちは、「地球は気候危機にある」「2050年までのCO2をゼロ(=脱炭素)にしないと破局が訪れる」というスローガンを毎日のように浴びています。しかし、その根拠となるデータを教わることはありません。
この本では、観測データ、統計データを紹介してゆきます。すると、
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- 北極の海氷が無くなって絶滅すると言われたホッキョクグマはじつは増えている。
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- 温暖化によって海面上昇で沈没すると言われたサンゴ礁の島々は沈んでなどいない。
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- 温暖化で激甚化しているとされる台風は強くなっていない。
といったことが、はっきりとわかります。
環境運動家グレタ・トゥンベリは「科学の声を聴くべきだ」といって一部の政府役人や学者の意見に従うように訴えています。しかし特定の人の意見を聞くのは政治的態度にすぎません。科学的態度とは、データに基づいて論理的に考えることです。
環境教育とは、決して「環境運動家になるよう洗脳する教育」ではなく、「データをきちんと読んで自分で考える能力をつける教育」であるべきです。
その思いを込めて、「15歳からの地球温暖化」を刊行しました。
1つの項目あたり見開き2ページで、データに基づいて分かり易く書いています。
「みんなが言っている」から正しいとはかぎりません。
思いこみにとらわれず、データをもとに“地球の今のすがた”を理解しましょう。
この本で紹介するデータは、どれも公開されているものばかりで、だれでも探して見ることができます。
それにもかかわらず、これらのデータを知っている人は、メディアにも政治家にも官僚にもほとんどいません。
それだけ、大人でもデータを見ていない人ばかりだということです。
本書は中学3年生、つまり15歳くらいから読んでもらえるように、データや科学的知見について、できるだけわかりやすく説明するように努めました。
(「はじめに」より)
【もくじ】
第1章 地球温暖化で世界や日本にはどんな影響があるの?
◎ホッキョクグマは絶滅するの?
◎北極海の氷は減っているの?
◎サンゴ礁の島国はしずんでしまうの?
◎日本の猛暑は地球温暖化のせい?
◎15歳で環境活動家になったグレタさんは何を訴えたの?
◎ゲリラ豪雨や集中豪雨は増えているの? など
第2章 地球温暖化に対して世界や日本はどんな取り組みをしているの?
◎「SDGs」は地球温暖化にも関係あるの?
◎「COP」は何をしているの?
◎気候モデルは過去の温暖化を再現できるの?
◎ノーベル物理学賞の真鍋淑郎さんは何をした人?
◎CO2をゼロにしなければならないの?
◎再生可能エネルギーの大量導入は効果があるの? など
『15歳からの地球温暖化 学校では教えてくれないファクトフルネス』
杉山 大志 著(出版社: 扶桑社)
ISBN-13:978-4594089948