ガスを上手に節約するには?
丸山 晴美
消費生活アドバイザー
暑かった今年の夏が思い出せないくらい気温が下がり、涼しくなりましたね。夏にはエアコンなどの電気代や水道代の節約がメインでしたが、これからのシーズンはガス代にも気を付けて生活をしていきたいものです。
秋から冬にかけてガス代が増える主な原因としては、下記の通りです。
- 水温が下がるために給湯時に必要なエネルギーが夏とは異なるため
- 水温が下がるため、食器洗いなど炊事にお湯を使うため
- 気温が下がり、ガス暖房やガス床暖房を使うため
- 夏場は入浴をシャワーでサッと済ませていても、寒くなれば浴槽にお湯を張って、温まるなど生活の中でのエネルギーの使い方が変わるため
下の表は、戸建て住宅の省エネ家庭と平均的な家庭のガス代を表したものです。同じ世帯構成でも、省エネを意識している家庭とそうでない家庭とでは3倍近くの差がありかつ、季節によってもガス代が変わることがわかります。
ガスの節約ポイント お風呂編
入浴時のお風呂の入り方によってガス代は大きく変わります。ポイントは、お風呂が沸いたら間隔を空けずに続けて入浴をすることです。これだけでも年間4,850円の節約になります。家族の都合で入浴の間隔が空くようであれば、お風呂のふたをしておき、冬場は水面に断熱シートを覆って、二重にふたをするとお風呂のお湯が冷めにくくなります。この時、お風呂の自動運転を切っておき、再度入浴する際に追い炊きをするとよいでしょう。
シャワーもこまめに止めると、年間2690円の節約になります。寒い日の入浴はどうしてもこまめにシャワーを止めるのが億劫になりがちですので、シャワーヘッド部分に出し止めをするスイッチが付いたものを使うとよいでしょう。もちろん、シャワー内の圧力を上げて少ない湯量でも勢いのあるお湯が出る節水シャワーヘッドを付けるのもおすすめですので、シャワーヘッドの交換も検討してみてはいかがでしょうか。節水率が高く、手元でお湯が止められるタイプのものがベストです。
ガス代の節約のポイント キッチン編
キッチンもガスを節約するポイントがいくつかあります。寒くなると水が冷たくなるので、食器洗い等にお湯を使うことが多くなります。その際の給湯温度は40℃から38℃へ設定すれば、冷房期間を除く253日間で1120円の節約になります。また冬は手荒れの季節ですので、食洗機を使うことで手荒れも少なくなり、水道代の節約にもつながります。
調理時は、炎がなべ底からはみ出ないようにすると、年間300円の節約になります。炎がなべ底からはみ出ると、取っ手部分が燃えたり溶けてしまう原因にもなります。
※ 数字などの出典:家庭の省エネハンドブック2020
他にも
- 鍋のふたや落し蓋をして熱効率を上げる
- 鍋底の広い鍋やフライパンで調理をする
- 野菜の下茹では電子レンジを使う
- 圧力鍋や保温調理をして加熱時間を短くする
- 1つの鍋やグリルで同時調理をする
- ガスのバーナー部分を掃除する
これらちょっとしたことですが、毎日の生活に取り入れてガス代を節約しましょう。
また、省エネ性能の高い機器への買い替えも検討してみてはいかがでしょうか。家庭用のガス給湯器の耐用年数は10~15年ほどです。東京都内にお住まいの方であれば、高効率給湯器に交換することで、商品券等に交換可能な「東京ゼロエミポイント」1万ポイントをもらうことができます。
「東京ゼロエミポイント」とは、家庭のゼロエミッション行動推進事業のことで、設置済みのエアコン・冷蔵庫・給湯器を、省エネ性能の高いエアコン・冷蔵庫・給湯器に買い換えた都民に対して、商品券とLED割引券に交換できる「東京ゼロエミポイント」を付与する事業です。令和元年10月1日からスタートしており、予算が無くなり次第終了となります。
詳しくは東京ゼロエミポイントHPへ https://www.zero-emi-points.jp/about/
ガスも電気や水道と同じく、日々ちょっとした使い方や心掛け次第で大きな節約につながります。特に節約効果が高いお風呂の沸かしっ放しをしないように意識を向けることから始めてみてはいかがでしょうか。