在宅時間が増えた際の水光熱費の節約のコツ
丸山 晴美
消費生活アドバイザー
緊急事態宣言が解除されましたが、まだまだ予断を許さない状況は続いていますね。子どもが通う小学校も6月からは分散登校となり、7月からは通常登校が予定されています。長引く外出自粛要請で、働き方にも変化が出てきています。これまで会社へ通勤をして仕事をするスタイルが一般的でしたが、在宅勤務が推奨されるようになり、テレワークやリモートワークをする人が増える結果となっています。私自身も対面での仕事から、ZoomやMicrosoft Teamsといったオンライン会議アプリを使っての仕事が増えました。
通信回線とパソコンやタブレット端末、スマートフォンがあれば、どこにいても仕事ができるのは魅力です。しかし、在宅勤務や在宅時間が増えることによって水道光熱費も増えがちです。さらにこれから夏を迎えるにあたって、電気代や水道代がかさみます。
今回は、節水とエアコンの節電のコツとポイントをご紹介します。
主な水道の使われ方を見ると、風呂、トイレ、炊事、洗濯の順番となっています。お風呂の水をメインに節水をすると効果も高くなります。
家庭での水の使用量が一番大きい風呂は、浴槽に湯を張ってその水を最後までムダ無く使うのが節水につながります。我が家は二人家族ですが、お風呂の湯量は設定の最低ラインでお湯張りをします。入浴は湯船に浸かってから、浴槽のお湯とシャワーで身体を洗います。残り湯は洗濯に使います。また、日没後に庭やベランダに残り湯を打ち水として利用すれば、ムダがありません。
家族の人数が多い場合は、節水シャワーヘッドを付けることをおすすめします。水圧を高くすることで、節水につながります。表示の節水率や機能によって値段は変わりますが、節水率が50%以上のものを選ぶといいでしょう。
またトイレの節水は、大と小を使い分けるだけでOKです。古い水洗トイレは水の使用量も多いので、最新型の節水型の便器に交換することも検討してみてはいかがでしょうか。
そして、食器を洗う際に食洗機を使うと節水につながりますが、食洗機がなくても、洗った食器をすすぐ際に、洗い桶の中に大きいものから順にタワー式に食器を重ねてから、小さいものから順に鉛筆一本分程度の細さの水で洗い流すと少ない水でも効率的にすすぐことができます。
夏の電気はエアコンがポイント
夏の日中(14時頃)の消費電力(在宅世帯平均)のグラフを見てもわかるように、エアコンが全体の電力使用量の約60%近くを占めており、次が冷蔵庫となっています。日中の節電のコツはエアコンの使い方にあるので、気を付けましょう。
エアコンを上手に使うコツの一つに、家庭内クールシェアがあります。家族が各々の部屋でエアコンを付けてしまうと、電気使用量が増えます。リビングのエアコン1台で家族が集まって過ごすことで、節電につながります。
エアコンの冷房運転の設定温度は26℃から28℃へ2℃上げ、扇風機を併用すると、節電かつ快適さを保つことができます。
エアコンのみ26℃で運転した場合を100とした場合、28℃設定+扇風機で22%の節電になります。この時扇風機は頭を下に下げて首振り運転をすると、下に溜まった冷気が撹拌され、また扇風機から出る冷気の風が身体にあたることで涼しさを感じることができます。
また、2週間に1回は、エアコンのフィルターに付着したホコリを掃除機などで吸い取って掃除をして、冷房効率を上げるようにしましょう。
窓を見直して効率的にエアコンを使う
冷房でせっかく冷やした空気も窓ガラスを通して逃げていってしまいます。また夏場は外からの熱が窓ガラスから入ってきます。冷房を付けてもなかなか涼しくならない時は、思いきって厚手のカーテンを閉めるのも手です。遮光カーテンを使えば、外から入って来る熱を遮断することができます。また葦簀(よしず)やすだれを窓の外にかけて日陰を作るのも効果的です。
西日対策として出かける前に、遮光カーテンを閉めてから外出すると、外からの熱気を抑えてくれます。帰宅してからはすぐに冷房を付けるのではなく、一度窓を開けて換気扇を回して部屋に籠った熱気を逃がしてから、エアコンのスイッチを入れるとよいでしょう。
また古いエアコンは、最新式のものに比べると消費電力が高いため、購入から10年以上経っているものであれば、買い替えを検討してみてはいかがでしょうか。リビングなど、利用時間や利用人数が多い場所のエアコンから買い替えると、節電効果が高くなります。また最新のエアコンは、消費電力だけではなく機能や性能も向上しているので、より快適に過ごすことができるでしょう。
水道光熱費は、つけっぱなしや流しっぱなしにしないといった節約行動を習慣にすることが大切です。在宅時間が増えがちなときこそ、日ごろの行動に注意をしてみましょう。