「地球温暖化観測所」設置の提案


キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹

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 日本の気温は全国の測候所で観測されてきた。それは、日々の生活や農業活動のためには有益な情報を提供してきた。
 しかし、これが地球温暖化の観測に流用されるようになったことで、都市化や周囲の植生の変化等により、混入する誤差が問題となっている。従前は、プラス・マイナス0.5℃程度の誤差は問題にならなかったが、地球温暖化傾向を測定するとなると、10年で0.1程度といった僅かな値を精密に測定する必要が生じたからだ。
 都市化等による誤差を補正すると、過去の温暖化量は、100年で1.1℃程度という気象庁推計よりも低く、0.7℃程度になる、と近藤純正東北大学名誉教授は推計している注1)
 しかし、この推計にもなお誤差があることは否めない。そこで、筆者は、同教授と連名で、より正確に地球温暖化量を推計するために、地上30mから50mの高さに、「地球温暖化観測所」を設置することを提案した。これにより、より適切な形で、適応計画の策定や、将来の温暖化予測が可能になる、と期待される。更に詳しくは、キヤノングローバル戦略研究所ホームページ:CIGS 記者懇談会 「地球温暖化観測所」設置の提案 
https://www.canon-igs.org/event/report/20191224_6151.html
をご覧頂きたい。

注1)
一般向けの解説として:杉山大志、「日本の温暖化は気象庁発表の6割に過ぎない」 
http://ieei.or.jp/2019/09/sugiyama190930/
より専門的には: K173. 日本の地球温暖化量、再評価2018 近藤純正ホームページ
https://www.asahi-net.or.jp/~rk7j-kndu/kenkyu/ke173.html