ダウンは捨てずにリサイクル
丸山 晴美
消費生活アドバイザー
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
寒い冬に活躍するダウンコート。私も何枚か所有しており、十数年愛用しているものもあります。このダウンコートや羽毛布団に使われるダウン(羽毛)の供給量が減っているのです。理由はいくつかありますが、そもそもの生産国の供給量の減少(生産農家の減少、動物愛護の観点など)やもともと生産国でもあった国が経済力をつけ、国内需要が増えたことで海外への供給量が減ったことが挙げられます。これは、供給国でもある中国が経済力を持ったことで、中国国内で消費されるようになり、結果的に供給量が減ったという背景があるそうです。
ダウンの供給量の減少によって、ダウンを資源として活かそうという試みが広がっています。「Green Down Project」(グリーンダウンプロジェクト)は、さまざまな企業や団体で取り組みが行われています。
グリーンダウンプロジェクトは2015年に発足しました。洗浄することにより品質が向上するダウンは再利用に適しているので、環境にやさしい循環型資源であることを啓蒙し、その回収と再利用促進を目的として設立されました。
これまでダウン製品の多くは、ゴミとして焼却処分されていました。しかし、ダウンは100年循環できる資源ともいわれ、燃やさずにリサイクルすることで資源の有効活用だけではなく、二酸化炭素の排出も抑えることができるのです。
これは羽毛循環リサイクル社会を図にしたものです。企業や団体、消費者などの理解と協力で成り立つものであることがわかります。
リサイクルできる羽毛製品とは
すべての羽毛製品がリサイクルできるわけではありません。ダウン率が50%以上であることが基本の条件です。穴が開いていても、汚れていても回収可能です。
また、Green Down Project「VIRGIN DOWN」タグが購入時についている商品も対象です。ダウン率を確かめる際は、品質表示をチェックしましょう。
私が愛用しているダウンコートの表示を見てみると、ダウンが90%なので対象であることがわかります。
対象であることがわかって、処分を考えている方は回収場所をこちらで調べることもできます。回収場所によって回収できるものとそうでないものがあるので、注意しましょう。
http://www.gdp.or.jp/collect/
グリーンダウン製品はどこで売られているの?
回収されたグリーンダウンは製品として販売されています。
アパレルは、URBAN RESEARCH(UR)で、布団類は、河田フェザーなどで販売されています。グリーンダウンの掛布団は、ほかのダウンの布団と比べて値段がお手頃です。
また羽毛布団は洗って打ち直しもできるので、こちらも再使用方法としておすすめです。
ユニクロは独自で回収
ユニクロでは、これまで販売したすべてのダウン製品(KIDS/BABYは対象外)を回収しています。
回収が可能なのは、ユニクロで販売されたダウン製品のみで、KIDS、BABYの商品は回収ができません。回収は店舗のみで郵送等では受け付けていません。また、期間限定でダウン製品1点につき1000円の割引券の配布がありました。
これら回収をしたダウン製品は、2020年の秋冬よりユニクロのダウン製品の一部として再利用されます。
私はダウンコートを自宅でクリーニングをして長く愛用していますが、いつか生地の寿命などで手放すときは、ダウンのリサイクル活動に参加をしたいと思います。