共働き世帯の救世主!?ミールキットでエネエコ


消費生活アドバイザー

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 内閣府男女共同参画局、男女共同参画白書(概要版)平成30年度版によると、昭和55年以降、夫婦共に雇用者の共働き世帯は年々増加し、平成9年以降は共働き世帯数が男性雇用者と働いていない妻から成る世帯を上回るようになってから、20年後の平成29年には共働き世帯がほぼ倍になっています。


参考資料:内閣府男女共同参画局 男女共同参画白書(概要版)
平成30年版 共働き世帯数の推移より
http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h30/gaiyou/html/honpen/b1_s03.html

 共働き世帯が増えても、女性の家事関連時間はあまり変わりません。厚生労働省の資料によると、男女別家事関連時間の推移を見ても、まだまだ女性の負担が大きいことがわかります。


出典:厚生労働省 配偶者手当の取り巻く環境について 資料より

 共働き世帯が増える中、食事の準備に手間と時間をかけたくないとう声に応えて、「ミールキット」が注目されています。ミールキットとは食事(meal)、を調理をするのに必要な材料一式(kit)がセットになっており、カット済みの肉や野菜、調味料など人数分の材料とレシピが含まれています。冷蔵品、冷凍品があり、調理時間は5~15分でできるものがほとんどです。ミールキット自体は新しいサービスではなく、40年以上も前からあるサービスです。
 ミールキットの値段は、安いものでは1人前298円や、2人前で1000円などというものもあり、取り扱う業者も生協やネットスーパ-、コンビニエンスストア、ショッピングサイト、食品メーカーなどさまざまです。自宅へ宅配されるものがメインですが、コンビニエンスストアでは、ネットで注文をしてコンビニで受け取るものとなっています。
 ミールキットのメリットは大きく分けて3つあり、1つは調理時間や買い物の手間を省くので時短になります。2つめは献立を考える必要がありません。3つめは使う食材があらかじめセットされているので食材のロスが減ることです。
 また、ミールキットにはおかず1品だけの提供もあれば、おかずとサラダなどメインと副菜がセットになったものもあります。また、健康を考える人に向けたヘルシーメニューやインスタ映えを意識したメニューなど取り扱うものもさまざまです。

 こちらは、楽天西友ネットスーパーで販売されているミールキットの一部ですが、一から作ると時間がかかりそうなおかずが10~15分程度の調理時間で作れます。

 今回は、「大きめお肉のタルタルたっぷりチキン南蛮風」を作って見ることにしました。

 袋の中には、鶏肉と野菜、タレとソース、冷凍された状態で入っていました。鶏肉を流水解凍したのち、油で焼いてから野菜を炒めてタレにからめて、器に盛ってからソースをかけるだけでした。

 味は学食のような社食のような万人受けしそうな味でしたが、時間がなくてもあっという間にひと品が完成し、その上見映えもするので便利に使えそうだと思いました。
 ミールキットは、共働き世帯だけではなく、育児中の方や食材を余らせがちな高齢者の方や、単身者向けにも使い勝手のよいキットとも言えるでしょう。レパートリーが少なくて、献立に悩むこともなく、一から材料や調味料を買い揃えたりすると意外とかかる材料費もミールキットであればそれほどではありません。1回使いきりなのでゴミも出にくく、あらかじめカットされて、下ごしらえや揚げた状態のものがセットになっているので、ザルやボウルといった調理道具も必要ありません。加熱する際は、レンジや鍋、フライパンがあればできるので、コンロが1つしかないという条件でも簡単に作ることができるでしょう。
 
 ミールキットのデメリットとも言えるのがその価格です。食材を使い回して、最後までムダ無く食べきることが食費節約の王道ですがミールキットでは不可能です。ただ、外食やお総菜から比べればそれほど高いとは言えません。また、上手な利用方法としては、栄養士が考えたミールキットを活用すれば日々の健康維持の助けになったり、献立のマンネリ化に悩むのであればミールキットを週に数回利用するだけでも食卓が変わるでしょう。ミールキットの冷蔵のものは消費期限が短くて急なメニュー変更に対応しにくいというデメリットがありますが、冷凍のものは賞味期限が長いので、生活パターンに合わせて選ぶと良いでしょう。

 ミールキットは便利そうだけど、もう少し節約したいこともありますよね。そんなときは、自分で作るミールキットとも言える、「味付け冷凍ストック」がおすすめです。お得用の肉を使って、(今回は豚小間肉)、冷蔵庫にある野菜と調味料をジップ式の袋に入れて冷凍保存しておきます。

 味付けに、しょうゆ、酒、みりん、砂糖、オイスターソース、ごま油、生姜のすり下ろしで調味液を作りました。調味液を入れる前に大さじ1程度の片栗粉を袋に直接入れてまぶしてから、調味液を投入して肉と野菜を軽く揉んでから冷凍します。今回は3パックになりました。

 使いたい時に解凍してフライパンで炒めるだけで、簡単におかずが完成します。まとめて調理をすることで、食材の使い切りができ、調理中の切れ端などの食材のロスも減らすことができます。また、お肉や野菜を調味液で漬け込むことによってお肉が柔らかくなり、野菜にも味が入りやすくなるのもメリットのひとつです。もちろん、その都度食材を準備して調理をするより加熱調理をするだけなので、時短にもなります。
 ミールキットや味付け冷凍ストック品を上手に利用して、エネエコしてみてはいかがでしょうか。