エコな習慣で出費とムダが減る生活に


消費生活アドバイザー

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 気がつけば新年度となり、一人暮らしや新生活をスタートさせた方もいらっしゃると思います。そしてまた、この10月には消費税が食料品など一部の商品を除いて10%になるなどますます生活の引き締めが必要となってくるでしょう。
 しかし、こうした引き締めをポジティブに考えるとエコに繋がるのではないかと私は考えています。引き締めの方法として「シェアリング」、「CtoC」、「ある物で済ます」といった行動が考えられます。
 「シェアリング」は、カーシェアや自転車のシェア、洋服や物ののシェア、物や場所のレンタルなどです。所有はせず、必要な時間や日数だけ借りる方法で、所有時にかかるコストや保管スペースが不要になるのが大きな魅力であり、1つのものを複数人で利用するので資源の有効活用とも言えるでしょう。
 そして、消費税増税でますます注目されているのが、「CtoC」です。Consumer to Consumerを略して、「CtoC」や「C2C」などと呼ばれるフリマアプリやネットオークションといった一般消費者間での電子商取引のことです。個人間の売買には消費税がかかりませんので、消費税の負担が重くなっていくこれからの時代にマッチしたサービスです。また、自分は不要となったものでも、誰かには必要なもの、欲しいものかも知れません。捨ててしまえばゴミとなりますが、再び利用者が現れることで捨てられずに活用されることになるでしょう。
 処分方法には売るだけではなく、寄付もあります。さまざまな団体が現金だけではなく、本やCD、ゲーム、洋服、キッチン用品や食品などを受け付けています。まだ使えるけど、売るには抵抗があるものは、賛同できる団体への寄付する方法もおすすめです。寄付をする前には受付団体への確認が必要となることもあるので、事前に問い合わせをしてみるといいでしょう。
 終活や物を持たない生活がブームですが、持たない生活へシフトしていくことも良いことでしょうが、そのためにまだ使えるものを捨てて、必要となったらまた買う生活はエコではありません。不要品は捨てずに次の所有者を見つけることはもちろんですが、今あるものを最後まで使いきることが、環境にもお財布にも優しい行動と言えるでしょう。私自身が毎シーズン着ているコートは10年以上経っても現役です。これからも体型が変わらない限りはずっと着ていくつもりです。今考えると、10年以上前の服は値段の割には生地や仕立ての良いコストパフォーマンスの良い服が並んでいました。そういった服や物を大切に使って修理しても使えなくなるまで使おうと思います。つい最近も20年以上前にもらった部屋着にしているフリースのスライダーが壊れ、修理をしようとしたのですが手元にあるスライダーのサイズが合いませんでした。どうしたものかと思ったのですが、クリップを付けることで解決しました。見た目はイマイチですが、機能は果たしていて、生地はまだ丈夫なのでこのまま着続けます。

 みんなで使い、最後まで使い切る。処分する方法を捨てるのではく活用へ行動を変えることで、地球もお財布も喜ぶエコエコな暮らしに近づくでしょう。