英国で考えるエネルギー環境問題
続・欧州のエネルギー環境政策を巡る風景感
-エネルギー連合(その2)-
有馬 純
国際環境経済研究所主席研究員、東京大学公共政策大学院特任教授
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- 大規模インフラ投資の進捗状況をモニターするため、2015年からエネルギーインフラフォーラムを開催
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- 域内市場接続のためのソフトウェア強化
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- 2016年に電力供給安全保障に関する指令を提案
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- 2016年に新たな欧州電力市場のデザインに関する指令を提案
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- 欧州電力ガスTSOネットワーク(ENTSO-E/G)の機能を強化
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- エネルギー規制当局協力庁(ACER)の権限を現在の勧告・意見から抜本的に強化
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- キャパシティメカニズムや再生可能エネルギー支援策が既存のルールに準拠したものであり、域内エネルギー市場を歪曲しないよう確保
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- エネルギーコスト、エネルギー価格に関する報告書を2年に1度作成し、税、課金、補助金を分析、コストを下回る規制価格をフェーズアウト
エネルギー効率
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- 2015/2016年に省エネ関連の指令をレビューし、2030年目標達成のために必要があれば改正
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- ビルのエネルギー効率改善
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- 既存建築物のエネルギー効率改善のための「スマートビルディングのためのスマートファイナンス」を開発
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- 運輸部門のエネルギー効率改善、脱炭素化
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- 道路輸送部門のエネルギー効率改善のためのパッケージの提案
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- 代替燃料導入のための市場条件の整備
経済の脱炭素化
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- 野心的な気候変動政策
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- EU-ETS、EU-ETS対象外のセクターに関し、関連指令を整備
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- 再生可能エネルギーで世界一に
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- 2016/2017年に新たな再生可能エネルギーパッケージを提案
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- 国境を超えた市場開放が行われるよう、関連ガイドライン、環境エネルギー補助ガイドラインに基づき、各国レベルの再生可能エネルギー支援制度の協力、収斂を図る。
研究、イノベーション、競争力
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- 2015/2016年に戦略的エネルギー技術計画、戦略的運輸部門研究イノベーションアジェンダから成る欧州エネルギー研究イノベーションアプローチを提案
エネルギー連合パッケージの主な項目は以上のとおりである。通読してみると5つの柱を掲げているものの、その重点はエネルギー安全保障(特にガス)、域内エネルギー市場統合に置かれているものと看取される。もともとポーランドのトウスク首相の提案もウクライナ情勢に触発されたエネルギー安全保障色の強いものだった。他方、省エネや脱炭素化、再生可能エネルギーについては昨年10月に合意した2030年のエネルギー気候変動パッケージの中で取り上げられているため、ほとんど新味がない。
これはあくまで欧州委員会の提案であり、今後はエネルギー大臣会合、欧州理事会で議論されることになるが、エネルギー連合実現への道筋は必ずしも容易なものではない。次回はその事情について論じてみたい。