電気料金値上げによる関西地域の製造業への産業影響
本間隆嗣・秋元圭吾
公益財団法人 地球環境産業技術研究機構
おわりに
大震災以降、電力をとりまく環境が大きく変化している。しかし、依然として電力はほとんど全ての産業の根幹を支える必要不可欠なエネルギーである。厳しいコスト競争に晒されている企業にとっては、安定的かつ安価に供給される電気が極めて重要である。本分析で示されたように、電気料金値上げの影響は製造業全体に大きな影響がもたらされるとともに、特定の業種、そしてまた地域により大きな影響が及ぶ。電力料金の値上げによる経済への悪影響、特に雇用への悪影響が拡大する前に、電気料金を抑制する方策を講じることが重要である。そのためには、安全の確保が最優先ではあるものの、安全が十分に確保された原子力発電の再稼働は電気料金を抑制するための最も効果的な施策の一つであり、速やかな対策が必要であろう。