EU-ETSで重大な否決


国際環境経済研究所主席研究員

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BBC(2013/4/17)から抜粋

 4月16日、欧州議会は、悩めるEU排出権取引を救う提案を否決した。
 これは、“Backloading”と呼ばれる提案で、排出権のだぶつきによる価格低下を是正するため、市場から9億㌧の排出権を2年間引き上げる、というもの。エネルギー関連企業は強く支持をし、一方、産業側は、排出権価格の低迷はここ数年の経済停滞を反映したもので、EU-ETSが機能しているということだ、として強く反対していた。英、仏、伊は政治的に支持したが、投票結果は、賛成315、反対334、棄権60以上、で否決された。法案は、欧州環境委員会に差し戻され、さらに検討が続けられる。

 欧州連合の気候問題の責任者であるコニー・ヘデガー氏は、声明の中で、「ECはEU-ETSにとって、Backloadingは必要と考えている」と述べた。環境グループは怒りを示しており、「否決は、EU-ETSの将来に疑問を投げかけるもの。」との意見が出ている。

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