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“脱石油政策”から脱却を

資源枯渇リスクは低下、緊急時対策からも必要に


Petroleum Association of Japan


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石油はエネルギー供給の「最後の砦」

 日本は戦後、災害時を含めてもエネルギーに困ることはなかった。これは、石油が電力や都市ガスのような系統エネルギーが止まった時の代替を果たしてきたためだ。一方で、石油需要はピークの1999年から2割も減り、油槽所やガソリンスタンドなどのサプライチェーンが縮小している。

東日本大震災では、他地域との連携などにより、約2週間後には東北地方全域に石油を供給できる体制を何とか回復できた。しかし、このまま需要が減り、サプライチェーンの縮小が続けば、今後は非常時に供給できない所が出てくることが懸念される。現時点では、系統エネルギーのバックアップを果たす「最後の砦」は石油しかない。ところが現在の予測では、石油需要は人口減少などの影響で、10年後にはさらに3割減少すると見込まれている。

 日本には石油の供給インフラがすでに整っており、緊急時対応という点からも、多大な費用をかけて新たにエネルギーインフラを整備するよりも、全国に石油を供給できる体制を残して次世代に引き継ぐ方が、国民経済的にロスが少ない方策だと言える。

一方で、石油のサプライチェーンを健全に維持していくには一定の需要が不可欠になる。需要が今のまま減り続ければ、早晩、石油の安定供給に支障を来たし、緊急時に頼るエネルギーがなくなることになる。そうしないためにも、①暖房・給湯での石油利用の推進、②ガソリン・軽油とその他自動車用燃料・エネルギーとの課税の公平化、③過度な天然ガスシフト政策の見直し――の3点を提案している。

 今後、人口減少や高効率機器の普及などにより石油需要は減少が見込まれるが、以上の対策によって需要の確保を図り、2020年の燃料油の需要を現在の約1割減の年間1億8000万kl程度にすることができれば、サプライチェーンの機能を健全に維持できると見ている。