電機・電子温暖化対策連絡会のCN行動計画・長期ビジョンについて
電機・電子温暖化対策連絡会
Liaison Group of Japanese Electrical and Electronics Industries for Global Warming Prevention
電機・電子業界は、国内外を問わず産業・業務・家庭・運輸からエネルギー転換(発電)にいたるまで、あらゆる分野に製品・サービスを提供していることから、当業界が関わるグローバルバリューチェーン全体を対象として、短期ならびに中長期それぞれの時間軸で地球温暖化対策に係る各種の対応を進めている。
本稿では、団体の枠を越えて共同で運営する電機・電子温暖化対策連絡会が推進する、カーボンニュートラル行動計画のうち、2050年カーボンニュートラル実現に向けて改定を行った「気候変動対応長期ビジョン」について紹介する。
当業界のバリューチェーン全体における温室効果ガス(GHG)排出の状況を俯瞰すると、事業者の活動に関連する他社の排出であるScope3がそのほとんどを占め、なかでもカテゴリ11に相当する「製品・サービスの使用」による排出量の割合が非常に大きくなっている。このことから、業界の取組みとして、Scope1、2に該当する自身の生産プロセスの低炭素化と併せて、とりわけ、製品・サービス使用時のGHG排出抑制に注力していくとともに、さらにバリューチェーンを拡げて、社会の各部門に対してもGHG排出削減に大きく貢献していくこととしている。
この特徴をふまえ、業界の各社が長期の目標等を検討する際の道標とすべく、2020年1月に策定していた「気候変動対応長期ビジョン」について改定の検討を進め2022年11月に公表した。
改定版ビジョンにおいては、次の4つの基本方針を掲げ、当業界のグローバルバリューチェーン全体で2050年にカーボンニュートラルの実現をめざすべく取組みを実施していくこととしている。
- ①
- Scope1+2について、省エネ化および再エネ導入によって、排出量を最大限削減する
- ②
- Scope3について、バリューチェーンにおけるステークホルダーとの共創/協創と技術開発・イノベーションにより、可能な限り排出量の削減に努める
- ③
- 炭素除去を含めた様々な手法を用いて、残った排出量の相殺に努める
- ④
- 上記に加え、社会の各部門における脱炭素化に大きく貢献する
さらに、2023年5月には、本長期ビジョンに示した業界としての方向性や考え方を理解頂くための解説や取り組みの参考となる関連情報や事例などを纏めた「電機・電子業界 気候変動対応長期ビジョン 解説とガイダンス Ver1.0」を発行し、今後の法規制の動向等も踏まえて、定期的にアップデートを予定している。長期ビジョン本体やガイダンス等は温暖化対策連絡会のサイトにて公開している。
電機・電子業界は、CN行動計画フェーズIIの目標達成に向け着実な活動を行うとともに、上記ビジョンで示す2050年カーボンニュートラル実現に向けた貢献をはかるべく取り組みを進めていく。
電機・電子温暖化対策連絡会ウェブサイト
https://www.denki-denshi.jp//