冬に高くなるガス代を簡単に節約しましょう
丸山 晴美
消費生活アドバイザー
冬は電気代だけではなく、ガス代も高くなります。その理由の一つに水温があります。冬場は水温が低くなることで、給湯にエネルギーがより必要となるからです。夏場の水温が20℃、冬場の水温が10℃なら同じ40℃に上げるのにかかるエネルギー量が違うのは当然ですよね。
また、気温が下がり寒くなることで、食器洗いにお湯を使う。お風呂の給湯温度を上げる。追い炊き回数の増加。鍋料理や煮込み料理などガスを多く使う料理が増える。ガスストーブや床暖房などガスで暖房をする。などガスを使う機会が増えます。
冬場にガスの使用量が増えることは仕方のないことですが、快適に過ごしながらもガスを節約するためには、日々のちょっとした心がけと取り組みが重要になります。誰でも簡単にできるガスの節約術をご紹介します。
お風呂の入り方ひとつで大きく節約
主にガスを使う場所はお風呂場とキッチン、暖房器具です。この3つの中で一番多くのガスを使うのがお風呂の給湯です。
お風呂は、「こまめにふたをする」「続けて入浴する」「自動運転は切る」「こまめに止める」この4つを習慣化させることで簡単にガスの節約ができます。
お風呂は熱を逃がさないようにするために、沸かすときからふたをします。そしてお風呂が沸いたら、入浴の間隔を空けずに続けて入浴をします。こうすることで、追い炊きの回数を減らすことができます。家族の都合でやむを得ず入浴の間隔が空くときは、風呂のふたをし、湯の温度を一定に保つ「自動運転」のスイッチを切り、再度入浴する前に温め直しをしましょう。「自動運転」のスイッチが付いている間は温度を保つために、湯温が下がるとガスを使って温め続けます。保温性の高い浴槽であればその回数を抑えることができますが、そうでない場合はお湯も冷めやすくなり、その分ガスを多く使うことになります。
シャワー使用時は、シャワーで体を温めながら浴びると、水道とガスのムダですので、こまめに止める習慣を身に付けましょう。節水シャワーヘッドは、節水率が高いものを選べば節水とガスの節約に効果的です。シャワーヘッドの手元に止水機能が付いたものを選ぶとこまめに止めることができます。
キッチンでのポイントは
キッチンでの節約のコツは、給湯器の温度設定をできるだけ低温に下げます。洗う食器の量が多いときは、食洗機利用も検討しましょう。給湯器のお湯を使って食器を手洗いするよりも、食洗機を使って洗う方がトータル的にはお得になります。
食洗機は節水がメインになりますが、温水で洗った場合のガス代の節約にも効果的です。4~5人家族の場合、年間でガス、水道合わせて、約19,100円節約になります。家族の人数が多いほど食器の数も多く、洗う時間もかかるので食洗機を導入すると家事がラクになって一石二鳥ですね。
調理時は、フライパンなど鍋底の広いものを使い、火にかける際は水滴を拭くことで、熱効率がよくなります。そして火力は鍋の底から炎がはみ出ない程度の中火を意識することで、熱効率が良くなります。鍋底から炎がはみ出ているとガス代のムダにつながるだけではなく、持ち手部分が焦げたり溶けたりするなど鍋が傷む原因にもなります。
野菜をゆでるときは、電子レンジを使うことで、短時間でゆであがります。なかなか火が通りにくい根菜類もレンジを使って下茹でしてから調理をすると時短かつガスの節約につながります。
時間がかかる煮込み料理は、具材を一度沸騰させてから火を止め、新聞紙とバスタオルなどで鍋を包んで余熱で火を通す保温調理もおすすめです。保温調理器具も売られており、性能もよいのですが、無ければ家にあるものでも代用とすることができますので、まずは家にあるもので保温調理をしましょう。
ガスヒーターを使っている場合は、温度設定は20℃を目安にして、外出や就寝の15分くらい前にはスイッチを切りましょう。そして1週間に1回程度はフィルターの掃除も忘れずに行いましょう。床暖房は立ち上がり時にガスを多く使いますので、在宅時間が長いときの暖房としておすすめです。暖房使用時はどの暖房器具でも共通ですが、窓から暖気が逃げないようにカーテンなどで対策をしっかりと取るようにしましょう。
冬の光熱費は家計の負担になります。家族で気を付けながら節約を習慣化させることで家計の負担も少なくなるでしょう。