スマートフォンは再使用でエコエコ
丸山 晴美
消費生活アドバイザー
新年度は何かとお金がかかる時期です。全て新品で揃えると、あっという間に予算オーバーになりかねませんから、あるもので済まし、お下がりや中古品を取り入れるといった工夫を心がけると、環境にもお財布にも優しくなるでしょう。
新年度はまた、通信費の問題が持ち上がるタイミングでもあります。お子さんに「そろそろスマートフォン(以下スマホ)にしたい」とおねだりされている保護者の方も多いかと思います。新品のスマホを新規で契約するとなると、月の通信費の負担が大きくなります。
スマホ端末はお下がりもしくは中古にする
新品のスマホを購入すると、その端末料金が負担となります。しかしスマホ本体は新品を買う必要はありません。まずは、お手持ちのスマホがSIMフリーかSIMロックがかかっているものかを確認してみましょう。確認方法はスマホの端末をどこで購入したかでわかります。docomo、au、SoftBankといったキャリアでの契約時に端末を購入した場合には、そのキャリアでしか使えないように端末にロック(カギ)がかかっています。それがSIMロックです。つまり、docomoで買ったスマホにSoftBankで契約したSIMを挿入しても通信・通話ができない状態になっているのです。SIMロック解除は各携帯ショップの窓口(有料)もしくはネットから解除すれば無料で解除できます(但し対象の端末に限る)。SIMロックが解除されると、SIMフリーとなり、どのキャリアや事業者のSIMでも使えるようになります。もちろん、海外のキャリアのSIMでも利用することができます。
実は、このSIMロックを解除しなくても、キャリアが同じであれば、スマホ本体を再使用することができます。例えば、docomoで契約してdocomoで分割払いで支払い終わったスマホ本体を、機種変更等で使わなくなったとします。そのスマホの本体は捨てずにとっておき、お子さんが新たにdocomoのスマホを契約する際に機種変更前のスマホで契約をすることができるのです。
格安SIM業者でもお下がりスマホが使える
これは、格安SIMでも同様のことが言えます。格安SIMとは「MVNO」と呼ばれる事業者がdocomoやau、SoftBankといったキャリアから通信回線を借りて安く回線を提供するサービスです。例えば、NTTコミュニケーションズの「OCNモバイルONE」(docomo回線)やケイ・オプティコムの「mineo(マイネオ)」(docomo・au・SoftBank回線)、インターネットイニシアティブの「IIJmio」(docomo・au回線)、ビッグローブの「BIGLOBEモバイル」(docomo・au回線)、UQコミュニケーションズの「UQmobile」(au回線)、SoftBankの「Y!mobile」(SoftBank回線)、ソニーネットワークコミュニケーションズの「nuromobile」、(docomo・SoftBank回線)と、その事業者ごとに借りているキャリアの回線の種類にも違いがあります。このキャリアの回線は事業者を選ぶ際のポイントの1つとなります。
この事業者の借りている回線がdocomo回線であれば、docomoで購入したスマホならSIMロックを解除しなくてもそのまま使い続けることができるのです。同様にauで購入したスマホはau回線を借りている事業者でau回線プランで契約をすればいいのです。ただしこの場合、海外旅行等で海外の通信事業者のSIMを利用することはできないので注意が必要です。
また、SIMフリー端末と呼ばれるスマホも売られています。例えばiPhoneであれば、実店舗のApple shop やWebショップのApple storeで購入するiPhoneは全てSIMフリー版のものですので、キャリアを問わず世界中で利用することができます。
また、中古スマホも売られていますが、購入するのであれば「赤ロム保障」が付いている販売店で購入しましょう。赤ロムとは前の所有者がスマホの端末料金の分割を支払っている途中で買い取られたもので、その後キャリアへの支払いが止まってしまった際に、キャリアが通話や通信のネットワークの利用を制限して使えなくなってしまうことで、そういった端末のことを通称「赤ロム」と言ってます。せっかく購入したのに、制限がかかってしまっては意味がありませんので、こうした保障制度がある販売店を選ぶのようにしましょう。
家に眠っているスマホはありませんか?スマホにはレアメタルが使われているので、資源としてリサイクルする必要のあるものですが、まだ使えるのなら再使用する方法を考えるのも省エネかつ経済的と言えるでしょう。