夏の節水術
丸山 晴美
消費生活アドバイザー
今年は猛暑日が長く続いていますが、夏バテや熱中症に気を付けて過ごしたいものですね。夏は何かと水を使いがちです。また雨が降らない日が続くと水不足の心配も出てきます。今回は家庭からできる上手な節水術をご紹介します。
東京都水道局「平成24年度一般家庭水使用目的別実態調査」によると、家庭で使われる水の使用量の内訳で最も多いのが風呂の40%、次いでトイレ22%、炊事17%、洗濯15%と続きます。使用量が多いものから節水をすると効果も高くなります。
水は一旦流れてしまうと、戻すことはできません。夏は水が気持ち良いですが、流しっぱなしをやめて、桶やコップなどに溜めて使うことで節水につながります。
家庭での水の使用量が一番大きい風呂は、浴槽に湯を張ってその水を最後までムダ無く使うのが節水につながります。我が家では、最低の水位でお湯を張って、そのお湯で身体を洗って、湯船に浸かります。最後の方はほとんどお湯がありませんが、それでも捨てません。その理由は、掃除や洗濯に使うからです。
洗濯は、洗いとすすぎ1回目を風呂の残り湯で使うように設定をしています。洗濯機の機能には、自分の好みに設定できるコースが付いていることもあるので、付いていたら自分の好みに合わせて洗濯をするとムダがありません。脱水は1分にして、衣類のシワを減らしつつ、節電仕様にしています。
他にも、軽い汚れであれば洗剤の量を減らしてすすぎを1回にしてもいいですね。洗剤は多ければ多いほど良いものではなく、基準量を超えて洗剤を入れても、洗浄力にはそれほど差がないという実験結果もありますので、洗濯洗剤の入れすぎには注意しましょう。
また、節水シャワーヘッドの利用もおすすめです。水圧を高くすることで、少ない水でも同等の使用感を得ることができます。表示の節水率や機能によって値段は変わりますが、節水率が50%以上のものを選ぶと効果も高くなります。節水シャワーヘッドに交換するだけで、普段遣いをしながらも節水につながりますので、家族の人数が多いほど節水につながり、かつガス代の節約にもなりますので付けてみてはいかがでしょうか。その際には、使用しているシャワーヘッドがどのメーカーであるか確認して、それに対応しているものを買いましょう。手元のボタンで水を止める機能が付いているものの方がこまめに水を止めて使うことができるので、より節水効果が期待できます。
また、日没後に庭やアスファルトにまくことで、冷却効果が期待できる打ち水は風呂の残り湯を活用するとムダがありません。
トイレは、大と小を使い分けることで節水につながります。
食洗機は節水に効果的ですが、食洗機がなくても、洗った食器をすすぐ際に、洗い桶の中に大きいものから順にタワー式に食器を重ねてから、小さいものから順に鉛筆一本分程度の細さの水で洗い流すと少ない水でも効率的にすすぐことができます。
住環境次第ではありますが、雨水を溜めておいて庭にまくといった「中水道」の活用することで節水につながります。
暑さ厳しい日が続きますが、熱中症予防にもここだけは節水を考えず、こまめに水分を摂るように心がけましょう。