電力自由化どうする?どう選ぶ?【実践編】
「トラブル事例から学ぶこと」
丸山 晴美
消費生活アドバイザー
電力自由化がスタートして早2カ月が経とうとしています。始まる前は各社「電気料金が○○円節約できる!お得!今ならポイントおつけします!」といったお得を全面に出した広告をしていました。
2カ月が経過して、思った程の効果が感じられない、契約内容をよく理解しないで契約をしてしまって後悔した…という声を耳にするようになりました。
ここで思うのは契約という行為の大切さです。特に重要事項説明や約款といったものは、何度もしつこく書きますが、しっかりと読み込こんで納得してから契約することが大切です。
<トラブルに遭わないために確認したい5つのこと>
1. 契約をしようとする小売電気事業者(以下事業者)が、電事業法に基づき登録されている事業者かどうかを確認する
確認方法は、資源エネルギー庁HP 登録小売電気事業者一覧から確認できます。
http://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/summary/retailers_list/
2. 条件面の確認を
事業者は、契約の際に料金を含む供給条件を書面で説明する義務が電気事業法上課されていますので、必ず説明を受けましょう。ここを飛ばして「ハイハイ印鑑はここね…」は後々そんなはずでは…にありがちなケースです。あくまでも契約ですから、面倒くさがらずにしっかりと聞いて、分からないことはわかるまで説明を受ける姿勢が大切です。
3. 契約期間と契約解除時の条件を確認する
事業者によっては、最低契約期間が設けられているところがあります。そしてその契約期間満了前の解約について違約金が発生する場合はそれがいくらなのかも必ず契約締結前に確認しましょう。
通信事業者など異業種の契約と合わせるとお得になるというプランはより慎重に確認をしましょう。通信の契約と、電気の契約の契約年月が違えば、違約金が発生しない解約月も違います。セットで入ることで安くなるプランなのですから、どちらかを解約すれば、そのメリットを受けられなくなる可能性があるのです。
また、引越の予定などがある場合はその際の解約についてのルールも確認しておくと安心です。
4. 契約時に必要となるオプションを確認する
事業者によってはスマートメーターの設置が契約の条件となるところがありますが、スマートメーターの設置の手続や連絡は誰がどのように行うかの確認をしましょう。
スマートメーターは原則無料で設置ができ、その他に特別に必要な機器類や、電線を新たに引き直す必要はありません。もし、このような話が出たら契約は見送りましょう。
5. クーリングオフができるかどうかを確認
クーリングオフとは契約した後に頭を冷やして(Cooling Off)つまり冷静に考え直す時間を消費者に与えることによって、一定期間内であれば無条件で契約を解除することができる制度で、契約書面を受領した日から起算して8日間となります。
今回の対象となる契約は、小売電気事業者が訪問販売や電話での勧誘で契約した場合のみクーリングオフの対象となります。つまり、「自ら店頭に出向いて契約をした」、「インターネットで申込をした」場合はクーリングオフの対象外であることに気を付けましょう。
また、一般送配電事業者(東京電力等の10の電力)が行う最終保障供給および、離島供給はクーリングオフの対象外です。
最後にトラブルに遭ってしまった場合は、全国の消費生活センター等に相談をしてみましょう。
連絡先がわからない場合は、消費者ホットライン局番なしの「188」(いやや)で消費生活相談窓口を問い合わせることもできます。
また、最寄りの相談窓口の電話がつながらない場合は、平日バックアップ相談
「03-3446-1623」もあります。詳しくはこちらでご確認ください。
http://www.kokusen.go.jp/map/index.html