低炭素社会実行計画(電機・電子温暖化対策連絡会)
電機・電子温暖化対策連絡会
Liaison Group of Japanese Electrical and Electronics Industries for Global Warming Prevention
電機・電子業界は、多種多様な事業(電子部品・デバイスの製造から、重電・家電の製造、ICT機器の製造及びサービス等)を展開しており、産業・業務・家庭・運輸からエネルギー転換(発電)に至るまで、あらゆる分野への製品・サービスの供給を通じて産業や暮らしを支えている。その中で、火力発電の高効率化、再生可能エネルギー機器の普及拡大などによる発電部門での低炭素電力供給、トップランナーの省エネ製品開発による民生・業務部門の電力消費削減など、エネルギー需給の両面にかかわる様々な技術・製品の開発やイノベーションの創出で、低炭素社会実現に大きく貢献することができる。
したがって、新たに行動を開始する低炭素社会実行計画では、「グローバルな市場を踏まえた産業競争力の維持・向上を図ると同時に、エネルギー安定供給と低炭素社会の実現に資する『革新技術開発および環境配慮製品の創出』を推進し、わが国のみならずグローバル規模での温暖化防止に積極的に取り組む」を基本方針として掲げ、「ライフサイクル的視点によるCO2排出削減」、「国際貢献の推進」、「革新的技術の開発」を取り組みの柱としている(図1)。
ライフサイクル的視点によるCO2排出削減
低炭素社会実行計画の中で、特に、ライフサイクル的視点によるCO2排出削減として「生産プロセスのエネルギー効率改善/排出抑制、製品・サービスによる排出抑制貢献」を重点取り組みと位置付けている。このうち、生産プロセスに関する取り組みでは、2020年に向けて、エネルギー効率の良いモノづくりをさらに推進することとし、省エネ努力を適切に示す「エネルギー原単位(エネルギー効率)」を評価する。具体的には、その改善率(2020年に向け、エネルギー原単位を年平均1%改善。基準年度の2012年度から、7.73%以上改善。)を目標として、その達成を推進する(図2)。
さらに、計画の大きな特徴として、低炭素・省エネ化を実現する製品・サービスによるCO2削減(排出抑制貢献量)を定量化して公表する取り組みを進める。上述した電機・電子業界の特徴である製品等を通じての民生や他部門へのグローバル規模での貢献を明示しようという試みであり、数値目標ではないが、定量化の方法論を主要製品毎に確立し、毎年度の実績を公表していく取り組みになる。将来的なポテンシャルの推計ではなく、2020年度までの計画期間中の実績を説明していくという考え方である。また、定量化の方法論に関しては、国際標準化等にも積極的に取り組み、グローバルな貢献も客観的にアピールできるよう活動を進めていくこととしている(図3)。
国際貢献の推進と革新的技術の開発
低炭素社会実行計画では、さらに、国際貢献の推進と革新的技術の開発にも積極的に取り組む。例えば、低炭素・省エネ製品のグローバルな普及促進に向けて、日本政府による二国間オフセット・クレジット制度化にフィージビリティー調査を通じて協力するほか、国際貢献として、国際省エネルギー協力パートナーシップやIEAによる高効率機器普及促進政策導入への協力、省エネ性能の適切な評価・測定方法の提案と国際標準の開発などに取り組んでいる(図4)。
また、近年、都市や地域のエネルギー・交通・医療(健康)・水環境など社会インフラについて、効率的な最適制御を行うスマートグリッドやスマートシティーを実現するために、わが国のみならず世界各地で実証計画・事業などのプロジェクトが推進されている。拡大する都市の持続可能な成長を支え、中長期の温暖化防止に貢献する技術として、電機・電子業界が有する情報通信(IT)や発送電に関わる様々な革新的技術の開発は、低炭素社会への変革に資するものとして期待されており、既に、電機・電子業界の多くの企業がそれらプロジェクトにも参画している(図5)。
実際に、多くの企業が、新興国や途上国を含めた世界市場での普及を視野に、低炭素・省エネ技製品のグローバルな事業展開を加速している中で、我々は、業界を挙げてグローバルレベルでの「経済」と「環境」の両立に貢献できるよう、低炭素社会実行計画を着実に推進していく所存である。
- <電機・電子温暖化対策連絡会>
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- 一般社団法人 電池工業会(オブザーバ)
- 一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会
- 一般社団法人 太陽光発電協会(オブザーバ)
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