2014年2月のアーカイブ
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2014/02/28
東京電力再生計画がもたらす波紋
新・特別事業計画は電力業界再編の引き金を引く(「日経ビジネスオンライン」からの転載)
1月15日、東京電力の新・総合特別事業計画(原子力損害賠償支援機構が連名、以下「新総特」という)が政府に認可された。本稿では、新総特の意義とそれが引き起こす電力業界全体への影響を考えてみたい。 続きを読む
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2014/02/27
ミッシングマネー問題と容量メカニズム(第3回)
容量メカニズムの制度設計に向けて第2回では、電力システム改革が進行している日本における容量メカニズム導入の意義について説明した。今回は、想定される制度を前提に、制度設計にあたっての論点を整理・考察する。 続きを読む
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2014/02/26
核のゴミ処理の可能性(その1)
-『30万年』を『1000年』へ-1.概要
エネルギー問題はわが国にとって国運を左右する課題であり、現実に原発停止に伴い追加輸入化石燃料の輸入代金は毎日100億円、年間約4兆円の国富が海外に流失し、貿易収支は従来の黒字から構造的赤字体質に変化している。加えてシリアなど中東・北アフリカの政情不安から原油・LNG輸入の潜在リスクもかなり40年前のオイルショックの再来も危惧される。 続きを読む -
2014/02/25
電気料金高騰に悩む英国が下した決断
福島事故を検討したうえで25年ぶり原発新設(「月刊ビジネスアイ エネコ」2013年12月号からの転載)
英国で長年、エネルギー・環境政策の立案に関わり、日本のエネルギー事情にも詳しい元英国議会科学技術局事務局長でケンブリッジ大学クレアホール終身メンバー、デビッド・R・コープ氏(67)がこの秋来日し、忙しいスケジュールの合間を縫って小誌のインタビューに応じてくれた。迷走する日本のエネルギー政策に対する見解や、原子力発電所の新設を決断した英国のエネルギー政策の最新動向をうかがうとともに、気候変動問題とどう向き合えばいいのかを聞いた。 続きを読む
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2014/02/24
オバマ政権の環境・エネルギー政策(その19)
活発化する中国との連携2009年2月5日、アジア・ソサイエティー(Asia Society)※は『エネルギーと気候変動に関する米中協力のロードマップ(A Roadmap for U.S-China Cooperation on Energy and Climate Change)』という冊子を発表した。これは環境面において、中国との対立から協力関係構築への転換に向けて、気候変動の専門家と中国問題専門家の両方が携わった作業として注目される内容となっている。 続きを読む
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2014/02/21
私的京都議定書始末記(その34)
-カンクンへの道のり-Meeting after Meeting
1-2月の主要国歴訪を終え、3月から交渉が本格化してきた。例年のように3月初めには日本とブラジルの共同議長による日伯対話が皮切りとなり、3月末にはメキシコ主催非公式会合が、4月初めにはコペンハーゲン後、最初の特別作業部会(AWG)が、4月下旬には米国主催の主要経済国会合(MEF)が、5月初にはドイツ・南ア主催のペータースブルク閣僚会合がそれこそ矢継ぎ早に開催された。 続きを読む
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2014/02/20
ミッシングマネー問題と容量メカニズム(第2回)
ミッシングマネー問題対策としての容量メカニズム、日本における意義第1回では、ミッシングマネー問題が起きる仕組みについて説明した。今回は実際の市場で起こっていることとしてテキサス州の事例を紹介する。その後、電力システム改革が進行している日本における容量メカニズム導入の意義について考察する。
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2014/02/20
増税でますます注目されるエネエコライフ
ご無沙汰しております。ブログの更新が滞っていてすみませんでした。昨年は、ある資格を取得すべく勉強に明け暮れ、めでたく年末に合格をいただきました。そしてまた、長年学部を変えて大学に在籍をしておりまして、現在3学部目にチャレンジ中。その後期試験を受けておりました。 続きを読む
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2014/02/19
河野太郎議員の上手だか本当でない説明
原発停止の経済への影響は大きい文藝春秋の新春特別号に衆議院議員の河野太郎氏(以下敬称略)が『「小泉脱原発宣言」を断固支持する』との寄稿を行っている。その前半部分はドイツの電力事情に関する説明だ。河野は13年の11月にドイツを訪問し、調査を行ったとあるが、述べられていることは事実関係を大きく歪めたストーリだ。 続きを読む
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2014/02/18
低炭素社会実行計画(電機・電子温暖化対策連絡会)
電機・電子業界は、多種多様な事業(電子部品・デバイスの製造から、重電・家電の製造、ICT機器の製造及びサービス等)を展開しており、産業・業務・家庭・運輸からエネルギー転換(発電)に至るまで、あらゆる分野への製品・サービスの供給を通じて産業や暮らしを支えている。 続きを読む
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2014/02/17
エネルギー基本計画に原子力をどう位置づけるか
原案の重要ポイントと解決すべき三つの課題(「ダイヤモンド・オンライン」からの転載)
揺れ続けた原子力政策
計画策定で決着つくかエネルギー基本計画改定に向けての議論が進んでいる。
福島第一原発事故直後から原発に反対する世論が盛り上がり、脱原発・再生可能エネルギーによる代替をエネルギー政策の柱として主張する有識者や政治家が急増した。 続きを読む
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2014/02/14
私的京都議定書始末記(その33)
-メキシコ登場-コペンハーゲン後の各国行脚
2010年の年が明けた。前年に引き続き、靖国神社に参拝しながら、2010年に待ち受ける国際交渉に向けて思いをめぐらせていた。
コペンハーゲン合意の採択失敗により、国連プロセスに対する信認は地に堕ちていた。その中で2010年の交渉がどのような経過をたどるのか?2000年末のCOP6で合意に失敗し、2001年6月のCOP6再開会合で合意が得られたという故事に倣い、一時、「2010年半ばにCOP15再開会合?」という噂も流れた。 続きを読む
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2014/02/13
PM2.5連載企画 スペシャルインタビュー
京都大学 名誉教授 内山 巌雄氏「PM2.5問題の今」を聞く~PM2.5による健康影響と今後の対策PM2.5の健康影響調査や日本でのPM2.5対策はどのような状況なのか。環境基準、注意喚起のための指針値策定に携わる京都名誉教授・内山 巌雄氏に伺いました。
PM2.5のハーバードの健康影響調査が、日本での研究のきっかけ
――PM2.5が問題になっていますが、いつ頃から問題視されたのでしょうか? 続きを読む
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2014/02/12
オバマ政権の環境・エネルギー政策(その18)
ケリーによる2度目の法案提出2010年になってケリー上院議員は、独立系リーバーマン議員、共和党グラハム議員と共同で上記同様の気候変動法案の上程に動いた(American Power Act)。温暖化ガスの削減目標はケリー・ボクサー法案と似た内容となっている。キャップ&トレードの開始を2013年とし、2020年削減目標は2005年に比して17%と、ケリー・ボクサー法案の20%を下院のワックスマン・マーキー法案の目標に戻した。 続きを読む
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2014/02/10
ミッシングマネー問題と容量メカニズム(第1回)
ミッシングマネー問題はなぜ起こるか電力システム改革を行った諸外国において、最近クローズアップされているミッシングマネー問題と、その対策として議論が活発化している容量メカニズムについて、3回に分けて整理してみたい。初回は、ミッシングマネー問題が起きる仕組みについて説明する。
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2014/02/07
エネファームからの逆潮
パナソニックは、昨年9月に、ドイツの給湯器メーカーであるフィスマングループと家庭用固体高分子型燃料電池を共同開発したと発表している。今年からドイツで販売を始め、続いて欧州主要国に投入するそうだ。プレス資料に示された仕様を見て気付いたのだが、発電出力が750ワットの定格出力制御になっている。これは、取付先の負荷がこの出力以下になっても定格運転し、余剰分は配電系統に逆流されるということを意味している。 続きを読む
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2014/02/06
私的京都議定書始末記(その32)
-COP15が残したもの-COP15が終わって日本に戻ると、各方面に対してその結果を説明する業務に追われた。鳩山首相を含む100数十カ国の首脳が参加する大会議であっただけに、会議中も連日ニュースで報道され、日本国内における関心も非常に高いものがあった。欧米のメディアはCOP15は大失敗だったという報道が躍っていた。 続きを読む
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2014/02/05
資源循環型産業としての製紙産業(3つのリサイクル)
はじめに
製紙産業は再生可能な木材を原料として紙を製造しているが、一部には、森林を破壊して紙づくりをしているという誤解も後を絶たない。 続きを読む
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2014/02/04
単純すぎる再エネ賦課金“ボッタクリ”論
河野太郎議員が火をつけた「回避可能原価」議論を整理する(「WEDGE Infinity」からの転載)
先日河野太郎衆議院議員が「経産省によるボッタクリ」と題したコラムをブログに掲載した。「また単純な……」と溜息をついていたら、この主張に沿った報道もいくつか続いているので、問題点を整理したい。 続きを読む
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2014/02/03
オバマ政権の環境・エネルギー政策(その17)
石炭を巡る攻防電力業界はワックスマン・マーキー法案を支援した。エジソン電気協会(EEI)は2009年1月に無償割当に関する提言を行った。この中でEEIは米国全体のCO2排出量の40%は電力セクターであるため、40%に対し無償割当を認めてもらえるよう求めた。 続きを読む