正統な競争力を付与する仕組みが最も重要に

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権威に黙従する空気は改められるべき

 桂文珍さんがよいことを言っていました。

 「自説にはこういう欠点があるということを言わないと人は信用しない」

 国は無謬だと思いがちですが、決してそうではありません。もし無謬なら今日の問題はなかった筈ですから。無謬ではない国家財政が破綻しているこの時に、依然として無謬でない政府が介入し、統制し、財政出動するといった旧来的発想とは、きっぱりと決別するべきです。

 国は国民の目にすべてをさらし、国民の融合的努力とエネルギーの再結集に努めるべき時です。それに、政府も産業界も権威に黙従する空気は改められるべきでしょう。要は、政府が統制や規制や財政出動に乗り出す範囲を狭め、国民経済が市場主体で成長し、価格の歪みを排除し、創意工夫に正統な競争力を付与する仕組みを拡大して行くことです。これを早く実現してこそ、21世紀の大競争を乗り切ることができるし、日本人の英知と努力をもってすれば、もちろん実現可能だと思います。

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