MENUMENU

オピニオン一覧

  • 2012/08/18

    新しいエネルギー政策における安全保障と自給率の限界
    原子力と自然エネルギーはともにエネルギー自給の目的には貢献しない

     東京電力福島第一原子力発電所(以下、福島原発と略記)の事故の起こる前(2010年)に制定された旧エネルギー基本計画(文献1参照)のなかで、原子力は国産エネルギーとして位置づけられ、エネルギー資源の全量に近い量を輸入に頼らなければならない日本において、エネルギーの安全保障のために、重要な役割を果たすとされてきた。 続きを読む

  • 2012/07/30

    「経済か命か」は誤った二分法
    — 経済と命の相関に着目をすべし —

     政府のエネルギー・環境会議が2030年を見据えたエネルギー政策を検討すべく国民的議論を求めている。国民の意見が直接的に政策に反映されないことを不満とする意見もあるが、最終的にエネルギー政策がどのようになるにせよ、議論を通じてその選択によって得られるものと失うものが意識されることにこそ意味がある。むしろ国民各層が主体的に考える経験を共有するための貴重な機会として前向きに捉えたい。 続きを読む

  • 2012/07/27

    エネルギー政策における「エネルギー源のベストミックス」
    その中に、当面、自然エネルギーは入ってこない

     エネルギーの「ベストミックス」とは、エネルギー政策におけるエネルギー源の多様化の中でのベストな選択の比率とされている。いま、原発事故後のエネルギー政策の見直しで中心的な課題となっている原発電力比率の選択の問題で、政府の提示する2030年時点における原発比率の3種の選択肢案についても、表1に示すように、各原発比率の値に対して、自然エネルギーの比率、および残りの火力発電の比率の目標値が与えられている。 続きを読む

  • 2012/07/25

    「エネルギー・環境に関する選択肢」は何を国民に問いかけているのだろうか?

     「エネルギー・環境に関する選択肢」についての国民的議論が始まっています。今のところ、どの選択肢を選ぶかということや、意見聴取会への参加者の所属の問題などに関心が集まっていますが、「エネルギー・環境に関する選択肢」には、選択肢自体の妥当性や選択肢という手法を用いたことによる、以下のような問題があるように思います。 続きを読む

  • 2012/07/17

    余りにも非常識な原発比率の選択肢案の評価
    自然エネルギーの利用を原発廃止のための条件とすべきでない

     いま、福島原発事故以後の新しいエネルギー政策を創るなかで、政府は、原発の位置づけを発電量の比率の値で表わして、その目標値を決めようとしている。6月28 日、政府のエネルギー・環境会議が、2030年時点における原発比率(国内発電量合計の中の原子力の比率)について、図 に示した3つの選択肢案を、付表に示す評価データとともに政府案として発表した。 続きを読む

  • 2012/07/12

    エネルギー・ミックスの選択にどう向き合うか

     経済産業省の総合エネルギー調査会・基本問題委員会における約半年、25回を超える審議を経て整理された、2030年におけるエネルギー・ミックスの選択肢と関連審議会の報告も踏まえて、7月上旬に、エネルギー・環境委員会が、国民的議論を行うための3つの選択肢を提示した。 続きを読む

  • 2012/07/06

    原発電力の代替、当面は石炭火力でなければならない
    エコ神話の崩壊が、エネルギー政策の変換を迫る

    原発電力の代替、当面は石炭火力

     いま、脱原発を叫ぶ人々は、原発代替電力は、「自然エネルギー(国産の再生可能エネルギー)による発電」だとしている。しかし、「自然エネルギー」は、少なくとも、現状では、原発の代替にならない。政府は、これを逆用して、「原発がなければ国民の生活が成り立たない(野田首相)」として、原発の温存を図ろうとしている 続きを読む

  • 2012/06/27

    日本版再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)について

     再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT : Feed in Tariff)が本年7月1日からスタートする。再生可能エネルギーは、地球上に膨大に存在し、化石燃料のように枯渇することもなく、発電段階でCO2も排出しない。また再生可能エネルギー関連産業は、「グリーン産業」として将来大きく発展、新たな雇用も生むと期待されている。 続きを読む

  • 2012/06/05

    WTOは環境も救うか?

    デジタルIT製品の貿易自由化の動き

     久しぶりに思えるジュネーブ発での貿易関連報道があった。5月16日付け日経新聞(夕刊一面トップ)によれば「日米欧、中韓など74カ国・地域は15日、関税を撤廃するデジタル製品を大幅に増やすため、世界貿易機関(WTO)の情報技術協定(Information Technology Agreement:以下、ITA)の改定交渉を開始することで合意した」とのことである(注1)。 続きを読む

  • 2012/05/16

    藤井敏道氏・セメント協会 生産・環境幹事会幹事長/三菱マテリアル株式会社 常務取締役に聞く[後編]
    縁の下の力持ち、セメントの循環型社会への貢献

    今回ご登場いただくのは、セメント協会 生産・環境委員会委員長代行で生産・環境幹事会幹事長の藤井敏道氏。前編に続き震災直後のセメント業界の対応と復旧状況、さらに今後の業界としての環境・エネルギー問題への取り組みについて聞いた。 続きを読む

  • 2012/05/14

    藤井敏道氏・セメント協会 生産・環境幹事会幹事長/三菱マテリアル株式会社 常務取締役に聞く[前編]
    コンクリートが人の命を守る

    今回ご登場いただくのは、セメント協会 生産・環境委員会委員長代行で生産・環境幹事会幹事長の藤井敏道氏。震災直後のセメント業界の対応と復旧状況、さらに今後の業界としての環境・エネルギー問題への取り組みについて聞いた。 続きを読む

  • 2012/05/07

    工藤智司氏・日本基幹産業労働組合事務局長に聞く[後編]
    仲間とスクラムを組んでこの難局を闘いたい

    今回ご登場いただくのは、日本基幹産業労働組合事務局長の工藤智司氏。日本基幹産業労働組合は、主要な基幹産業である金属産業のうち、鉄鋼、造船、非鉄鉱山、航空、宇宙、産業機械、製錬、金属加工などの他、関連業種で働く25万人(748組合)を有する労働組合である。前編に続き、基幹労連の震災直後の対応、今後の環境・エネルギー政策の考え方などについて聞いた。 続きを読む

  • 2012/05/02

    工藤智司氏・日本基幹産業労働組合事務局長に聞く[前編]
    震災を経験し、切に感じた日本の強さ

    今回ご登場いただくのは、日本基幹産業労働組合事務局長の工藤智司氏。日本基幹産業労働組合は、主要な基幹産業である金属産業のうち、鉄鋼、造船、非鉄鉱山、航空、宇宙、産業機械、製錬、金属加工などの他、関連業種で働く25万人(748組合)を有する労働組合である。基幹労連の震災直後の対応、今後の環境・エネルギー政策の考え方などについて聞いた。 続きを読む

  • 2012/04/17

    “脱石油政策”から脱却を
    資源枯渇リスクは低下、緊急時対策からも必要に

     東日本大震災を契機に国のエネルギー政策の見直しが検討されている。震災発生直後から、石油は被災者の安全・安心を守り、被災地の復興と電力の安定供給を支えるエネルギーとして役立ってきた。しかし、最近は、再生可能エネルギーの利用や天然ガスへのシフトが議論の中心になっており、残念ながら現実を踏まえた議論になっていない。そこで石油連盟は、政府をはじめ、広く石油に対する理解促進につなげるべくエネルギー政策への提言をまとめた。 続きを読む

  • 2012/04/09

    氷の彫刻が投げかけるもの
    ~スイスがめざす“脱原発社会”の行方~

     レマン湖畔にある我が家の近くに、この冬、見事な氷の彫刻が登場した。写真は2月6日あたりの様子である。あまりに芸術的で観光客らしき人の往来が急増し、我が家の周辺は週末、交通渋滞で迷惑を受けた。

     欧州が厳冬になった今年、特に氷の彫刻が生まれた前後の2週間程度、朝方はマイナス二桁摂氏の日々が多く続いたが、3月に入ると逆に平均気温が11℃とプラス二桁摂氏が続いており、もはやスキー道具を片付けようかという陽気となった。 続きを読む

  • 2012/03/29

    電力供給・温暖化のトンデモ本に要注意!
    データや理論をきちんと判断する姿勢が必要に

     「トンデモ本」というのを、ご存じだろうか。著者の思い込み、無知などによる、とんでもない話を書いた本の呼び方だ。「日本トンデモ本大賞」というものもあり、20年前の第1回は、「ノストラダムス本」が受賞している。当時、かなりの人が1999年7月に人類は滅亡するという、このトンデモないこじつけの予言を信じていた。2011年は大川隆法氏の『宇宙人との対話』が選定されている。 続きを読む

  • 2012/02/24

    発送電分離問題の再考②-2
    発送電分離=市場化のリスクをどう考えるか?

    一物一価の法則がもたらすリスク

     日本では、普段なら、1本100円の長ネギが700円に高騰したことがある。電力は蓄えられないという性格上、市場化した場合には、同様なことが起こりうる。これをヘッジするためにさまざまな金融商品が開発される一方、事業者はいかにこの鞘をとるかという行動に走る。規制側の任務は「競争法(日本の独占禁止法相当)」に基づく不正取引の監視であり、価格レベルそのものについては関与しない。これが今の英国の電気事業である。 続きを読む

  • 2012/02/21

    発送電分離問題の再考②-1
    英国事例に見るフェアの追求とその帰結

     発送電分離が目的とするところは公平(フェア)な市場の構築に他ならないが、英国の発送電分離は「フェアとは何か」という点で考えさせられる点が多い。今回は、発送電分離と電力自由化を最もドラスティックに実行した英国の事例に基づき、発送電分離とフェアについて考察する。 続きを読む

  • 2012/02/08

    GDP拡大を求める発想の転換が必要に
    浦野光人氏・経済同友会「低炭素社会づくり委員会」委員長/ニチレイ会長に聞く[後編]

    「エネルギーコストが2割も上がるのは国難」――。経済同友会「低炭素社会づくり委員会」委員長を務める浦野光人ニチレイ会長は、こう指摘する。原子力発電や再生可能エネルギーなど今後のエネルギー政策や温暖化対策について、また、日本のあるべき姿について率直なご意見を伺った。 続きを読む

  • 2012/02/07

    エネルギーコストが2割も上がるのは国難である
    浦野光人氏・経済同友会「低炭素社会づくり委員会」委員長/ニチレイ会長に聞く[前編]

    「エネルギーコストが2割も上がるのは国難」――。経済同友会「低炭素社会づくり委員会」委員長を務める浦野光人ニチレイ会長は、こう指摘する。原子力発電や再生可能エネルギーなど今後のエネルギー政策や温暖化対策について、また、日本のあるべき姿について率直なご意見を聞いた。 続きを読む