ゴミを減らす行動でエネエコなライフスタイルを


消費生活アドバイザー

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 長引く新型コロナウイルスの影響を受けて、不急の外出を控え、在宅勤務や臨時休校など、家で過ごす時間が増えた方も多いかと思います。我が家も在宅での仕事が増え、子どもが通う小学校も臨時休校となり、ほとんど二人で自宅に缶詰になっている状況が続いています。在宅時間が長くなると増えるのがゴミではないでしょうか。
 外食から自炊へ、外飲みから家飲みやオンライン飲み会など飲食だけでもゴミが増えがちです。また、今まで忙しくて見て見ぬふりをしていた家の片づけや掃除、模様替えをする人も増えてきています。それに伴ってゴミの排出量が増えています。ある自治体では、家庭用のゴミの量が増えすぎて回収に時間がかかっていたり、持ち込みの粗大ごみが増えているといった報道がされていました。自炊や家飲みが増えると当然ゴミが増えてしまいがちです。少しの工夫で排出するゴミの量を減らすことができます。


画像提供:PIXTA

買い物時は必要なものを考えてから買う

 外出自粛要請期間中にスーパーといった小売店での「三密」(密閉)(密集)(密接)を避けるために、東京都では買い物を3日に1回程度にするといった要請が出ましたが、心配しすぎて買い込みすぎると、必要とするほかの人の手に渡らないばかりか、食べきれずにムダにしてしまう可能性があります。まずは何を買うか冷蔵庫やパントリーの在庫を見ながらメモをしてから買い物へ出かけましょう。買うものが決まっていれば、スーパーでの滞在時間が減り「密」を減らすこともできるでしょう。

保存性が高いものや保存性を高める工夫をしましょう

 生鮮食品は消費期限が短いために、まとめ買いをすると食べきれず廃棄になる可能性があります。それぞれの買い方や保存方法のコツを紹介します。

肉類:肉は徳用パックを購入して、味付け冷凍や小分け冷凍をして保存して食べる都度解凍する
白もの食材:豆腐、卵、食パン、牛乳といった白もの食材は、次に買い物へ行くまで足りる量をストック
キノコ類:小房に分けてジップ式の袋に入れて冷凍し、凍ったまま加熱する
野菜:日持ちがするキャベツや人参、玉ねぎ、じゃがいもを中心にストックし、もやしや葉物の野菜は2,3日で食べきれる量を買う
乾物:春雨、高野豆腐、ひじきなど使いやすい乾物のストックとパスタやうどんなどの乾麺のストック
缶詰:サバ缶、ツナ缶、コーン缶、トマト缶、ランチョンミートなどつかいやすいものをストック

 使い切りたい食材や消費期限を考えながら、組み合わせて食事を作ることで廃棄量を減らすことができるでしょう。何を作ってよいか献立が浮かばないときは、レシピサイトやアプリを活用することで解決できます。
 また、家での飲料の消費でペットボトルや缶のゴミが増えがちです。これらは資源ごみですから分別をして捨てることは当然ですが、できるだけごみとして出すものは減らしたいものです。我が家ではお茶、水、牛乳で過ごしており、水は水道に付けた浄水器の水で、お茶はパックを煮出して作るのでペットボトルのゴミはほとんど出ません。牛乳は飲み終わったら中をすすいで、乾かした後、切り開いて分別もしくは中のパルプ部分を出して天ぷらやフライの受け皿としても使っています。
 お酒は350ml缶を2本飲むよりも500mlを1本にする。瓶ビールや日本酒などリターナブル瓶に替えるといった方法でもゴミを減らすことができるでしょう。

家庭ごみは売ればお金になるかも

 不用品を処分してすっきりとした家は気持ちがいいものですが、ただ捨ててしまうのはもったいないことです。「みんなのかくれ資産調査委員会」の試算によると、1世帯あたり約70万円あるそうです。これらを捨ててしまえばお金にならないどころか、粗大ごみとしてお金を払って処分してもらうことになります。自分が不要となったものでも、どこかで誰かが必要としているかもしれません。フリマアプリやオークションなどを利用して、捨てずに誰かに使ってもらうこともできるでしょう。壊れているものでも、パーツとして必要とする人もいるので、ジャンク品と記載して売ることもできます。まとめて処分をしたいときは、リサイクルショップや買い取り業者に送る方法もありますが、その分買い取り価格は安くなることもあります。またブランド品や骨董品といった専門の業者で売るほうが値がつきやすものもあるので、ものによって売り方を変えるとよいでしょう。
 店頭買い取りやフリマアプリやオークションの発送では、時間帯によっては密な状況になることもありますので、人が少ない時間帯や人との距離をとって密を避けるようにしましょう。

再使用して活かしましょう

 売ることはできなくても、古着などを生地として再使用することで捨てずに済むことができます。例えば手に入りにくいマスクをワイシャツの生地やシーツ、ハギレなどを使って作ることも再使用の一つと言えるでしょう。捨てるまえにもうひと仕事、何かに使えないかどうかを考えて最後まで無駄なく使い切るようにしましょう。

 「捨てればゴミ、活かせば資源」時間があるときだからこそ、もう一度買い方やものと向き合ってみてはいかがでしょうか。