第38回エネルギーフォーラム賞「優秀賞」受賞について


国際環境経済研究所理事・主席研究員

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 この度、「2050年のエネルギー産業 Utility3.0へのゲームチェンジ」(日本経済新聞出版社)がエネルギーフォーラム賞優秀賞を受賞致しました。日頃の皆さまのご支援の賜物であり、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

 「幸福な社会」の必要条件はいろいろあるでしょうが、安価で低炭素なエネルギーが潤沢に手に入ることがその一つであることは間違いないでしょう。人類が経験してきた紛争・戦争の多くがエネルギー資源を巡る争いに端を発していたこと、深刻化する地球温暖化は「環境問題」というより「エネルギー問題」であることなど、いずれの点から見ても、潤沢な低炭素エネルギーは、幸福な未来の必須条件であるといえます。
 幸福な未来を日本に遺したい。そのためにエネルギーに関わる私たちは何を考え、何をしなければならないのか。そんな問題意識を持ち寄ったところから本著の執筆は始まりました。
 本著で述べた「5つのD」という変革ドライバーのいずれも、不可避的あるいは不可逆的に生じ、2050年は今とは全く違う世界になっているはずです。非連続な変化の先を予測することはとても困難であり、ともすると現状を出発点にした議論に陥りがちです。しかし、現在に拘った議論は非連続の先を見通す上では何ら役に立ちません。そのため、精緻な試算や予測を積み上げることよりも、「より良い未来とは」を描くことに注力しました。
 本著が日本が望ましい未来に向かっていくための一つのきっかけとなれば望外の喜びですし、良い未来を日本に遺すための変革を皆さんと共に起こしていきたいと思っています。

2018年4月6日
共著者を代表して
国際環境経済研究所理事・主席研究員
竹内純子