北極評議会、北極圏の気候は予想以上の速さで広範に変化していると警告


 北極評議会の北極圏監視評価プログラム(AMAP)は、温室効果ガス(GHG)の濃度上昇が主な原因で北極圏の気候が急速かつ広範に変化し、「新たな状態に移行しつつある」とする報告書を公表した。観測データによると北極圏は年を追うごとにより暖かく、降水量が多く、変わりやすい環境へと置き換わりつつあり、世界の人類、資源、生態系に重大な影響があるという。また、最新の科学的証拠によれば、変化はIPCC報告書の海面上昇予想を上回り、早ければ2030年代末には夏季に北極海の海氷がほとんどなくなる恐れがあるとしている。
 報告書はほかに、1)北極圏の気温上昇は世界平均の2倍以上の速度、2)温暖化は少なくとも21世紀半ばまで続き、今世紀中に北極圏がかつての状態に戻ることはないが、GHG排出量を現時点で大幅削減すれば21世紀半ば以降は影響の安定化が可能、3)適応政策によって脆弱性を低減することは可能で、自治体や地域のレベルでの適応が緊急に必要、4)効果的な緩和・適応政策には北極圏の気候変動の十分な理解が必要で、観測範囲の拡大、地域レベル予想の改善、不確実性低減の取組みが必要なこと、などを示した。【世界気象機関】