ムダの少ない買い物をするためには(その3)


消費生活アドバイザー

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 少し間が空いてしまいました。消費税が8%になってから早1カ月が経とうとしています。デパート、スーパー、コンビニといったお店を巡ってきて、お店自体にも少しずつ変化が出て来たようにも感じます。
 増税直後のチラシを見た時に真っ先に感じたことは、「ファミレスのメニューを見たときの衝撃」でした。といっても、これでピンと来る方は少ないと思いますので解説すると、ファミレスのメニューを見るときに気になるのが、カロリー表示です。これを見ると、食べたいものもなかなか食べられなくなるのです。男性なら、「食べたいものを食べたらいいじゃない?」と思うかも知れません。しかし、常に体重を気にする女性にとってカロリーは低ければ低いほど、良いのです。これはチラシにも言えることでして、価格は低ければ低いほど良いのです。ところが、今回の増税で価格が中途半端に高い数字に変わってしまいました。今まで98円(税込)だった商品が93円(税抜)で100円(税込)になり、198円(税込)が203円(税込)に…と金額が大きくなればなるほど、違和感にも似た負担感が強くなってきます。しかも、スーパーのチラシなどは、税抜価格と、税込価格が記載されているためにその割高感が、まさしくファミレスのカロリー表示の気持ちにさせてしまうのです。という理由で、しばらくはお買い物を最小限にしていた方も多いのではないかと思います。少なくとも私はそう思っており、なかなか手がでないでいました。そう考えると、つくづく、税込98円が懐かしい…。と思うのです。そのお陰か、我が家の冷蔵庫はほぼ空っぽ状態。冷凍室には納豆としめじ、半額で買った冷凍食品が入っています。
 ところが、そんな消費者の気持ちを察したのか、近頃のスーパーやコンビニでは、税込98円の商品が登場してきています。その表示を見ると、「私だけじゃなかったのね」と、ほっとしたような嬉しい気持ちになってしまいます。野菜といった、定価がないものほどその傾向があります。今後は徐々にこうした末の金額が8円になるように調整をかけてくるのではないかと思います。ほんのちょっとしたことですが、これで消費者の手が伸びるならやらざるを得ないでしょう。
 しばらく食品の話しばかりになってしまいましたが、家電はその1でお話した通りですし、やはり近いところでは5月の購入が望ましいという意見は変わりません。では、衣類はどうでしょうか。こちらも、増税前によく売れたと言われるものです。我が家もちょど夫のスーツやワイシャツなどがだいぶくたびれてきたので、増税を前に購入しました。それが正解かどうかはわかりませんが、滅多にデパートへは行かないのでセールで買うよりはムダな買い物をせずに済んだと思っています。
 服を購入する際に大切なことは、買い物へ行く前にクローゼットの整理整頓をすることをおすすめします。その理由としては、似たような服をまた買ってくることを防ぐためです。人の服装の好みはコロコロと変わりにくいので、気が付くとつい同じような色で、似たような形の服を選んでいることに気付かされることがあります。もちろん、それが悪いというのではなく、気に入ったものを永く愛用できれば良いのですが、気付けば同じようなものばかりでクローゼットがいっぱいになってしまうのは、もったいないと思います。
 そして、永く愛用することは結果的に節約になり、エコであると考えられます。そのためにも、質の良い物を選び、お手入れをすることも忘れないようにしましょう。お手入れを怠ると、黄ばみやシミ、虫食いといったトラブルの原因にもなります。そして、衣類を購入したときに付属してくるボタンやハギレは捨てずに取っておくことで、メンテナンスがしやすくなります。
 しかし、質の良い物は値が張ることがあり、全てを上質なものにすることは予算的に厳しい場合があります。そんな時は、メリハリを付けてみましょう。コートや礼服、スーツは、登場回数は少なくても、あまり形に流行がないものは上質なものを選び、普段着や流行のアイテムはお手頃価格のものを選ぶといった方法です。
 とはいえ、最大の節約は「体型を大きく変えないこと」かも知れません。いくら上質のものを購入しても、着られなくなったら意味がありませんから。

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