燃費の計算方法とカタログ燃費

地球環境とお財布に優しいエコドライブ その4


消費生活アドバイザー

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 エコドライブ、知れば知るほど今まであまり意識をしてこなかった自分にダメ出ししたい気分…。そう言えば節約取材の後、ライターさんも同じことを言っていたような。過ぎたものは仕方がないので、これからモードチェンジしてエコドライブを実践していきたいと思います。

 節約もそうですが、エコドライブも頑張った成果を知りたいと考えるのは当然のことだと思います。節約なら家計簿を付けていれば、貯金額と共に一目瞭然ですが、エコドライブで浮いたガソリンってどうしたら知ることができるのでしょうか。そういえば最近ガソリンの持ちがいいなぁ~といった感覚?でしょうか。そんな疑問にお答えいただきました。

<お話を伺った方>
大野栄嗣さん 日本自動車工業会 運輸政策対応ワーキング主査
谷口実さん  日本自動車工業会 環境統括部長
佐々木玄さん 日本自動車工業会 環境統括部

一般社団法人 日本自動車工業会HP

 燃費の計算方法は

距離(km)÷給油量(㍑)=燃費(km㍑)

で計算することができます。
給油をした際にトリップメーターをリセットして0にすると計算しやすくなります。トリップメーターは、ODOメーターの近くにあり、ODOメーターをリセットすることはできませんが、トリップメーターは手動でリセットすることができます。
 このようにその都度作業が必要ですが、その効果を実感することができるでしょう。
 そして、家計簿のように効果を継続的に記録できるサービスもあります。
「ReCoo」(レクー)
 では、パソコンや携帯でクルマの燃費を記録することができます。また同じ車種での燃費比較やランキングもわかりますので、エコドライブができているかどうかのチェックにも役立ちます。

 やはり、数字で表れるとやる気がでますね。また、節約もエコドライブも継続が大切だから目に見える形で、良くも悪くも反省をして次ぎに生かせば、より地球にもお財布にも優しい生活ができるというものですね。
 でも、少し気になるのが実際の燃費とカタログ燃費。カタログ燃費ではリッター30キロと低燃費をうたっているのに、実際はそんなに走ってないのでは?と疑問に持つ人も多いのでは。消費者としては、燃費が良いクルマであることが購入動機の一つになっているので、そのところも是非教えてください。

 はじめに申し上げたいのが、カタログ燃費というのはメーカー側が自社に都合が良いように弾き出した数字ではなく、公平で一定にするために、国が定めた計測基準で計測しています。測定時は公道などで測定するのではなく、シャシーダイナモ上で測定します。

画像出典: 一般財団法人日本自動車研究所HP

 カタログ燃費と実際の燃費が異なる主な原因は、
・ 急加速など運転方法によるロス
・ エアコンと電気負荷によるエネルギー消費
・ 冷却によるロス(寒冷気候、車の暖機)
・ 道路が混雑していることのロス
などが考えられます。

 なるほど、確かに一人一人ライフスタイルが違うように、運転の仕方や住んでいる地域が違えば、それそれの実際の燃費になるわけで、バラつきがあるのは仕方の無いことと言えば仕方のないことですね。でも、せっかく燃費を重視して購入したクルマの燃費が思ったほどではないと分かった時はかなり落ち込んでしまうかも。やはりカタログ燃費と実際の燃費の乖離は少ない方がより満足度が上がると思うのですが。

 アメリカではより実際の燃費に近い測定方法で算出しています。実は日本でも2011年4月からJC08モードとなり、コールド条件(エンジンが冷えた状態)が加わり、それ以前の測定よりも1割程度燃費表示値が低くなっています。

 クルマの技術も測定方法もこれからまた進歩していくわけですね。
 そして日々燃費や性能が向上しているクルマ。将来的にはどんなクルマが街を走るのでしょうかとても興味があります。
 次回は次世代のクルマについても教えていただきます。

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