生活の節電術

節電シリーズ その3


消費生活アドバイザー

印刷用ページ

 みなさんこんにちは。第1回目はエアコン(冷房)の節電方法、第2回目は冷蔵庫の節電方法をご紹介ました。夏場はこの2つで日中の電力使用量の75%を占めているというデータがありますので、この2製品の節電がいかに重要であるかおわかりになるかと思います。しかし、他にも家電製品は家庭の至るところに存在しています。こうした細かい部分にも目を向けて日頃から節電を意識して習慣にすると、今回のような電力不足以外の場面の家計の節約という部分でもとても役に立ちます。

こちらのグラフは、家庭における機器別の消費電力量の比較を表しています。

冷蔵庫、照明、テレビ、エアコンで家庭の電気の約4割を消費していることになります。こうしてみると、家庭には様々な家電製品があることに気づかされます。
 現代の生活の中で切り離すことのできない家電製品ですので、使わないのではなく、上手に使うようにしましょう。

< 照明 >

照明の節電チェックポイント
□こまめに消す
□長時間使用する部屋は省エネ型の電球に付け替える
□かさやカバーを掃除する
□明るいうちに作業を終わらせる

 照明の節電の基本はこまめに消すことです。以前の話になりますが、照明は点灯の際に大きなエネルギーがかかるから、頻繁な入切は節電にならないとの話がありました。しかし、実際に調べたところランプの入切による電気代はほとんどかからない結果が出ました。 ここで言う頻繁な入切とは、0.02秒ごとに入切した場合のことですので、1分でも部屋を開けるなら照明は消すのが正解といえます。
 但し、蛍光ランプの場合は頻繁に入切をするとランプの寿命を短くしてしまうので注意が必要です。

また、照明はその用途に合わせて電球を使い分けることをおすすめします。
60Wで比較すると、
白熱電球(54W) 電球型蛍光ランプ(12W)LED電球(8.8W)
※メーカーや製品によって多少異なります。
 
 リビングなど長時間使用する部屋にはLED照明が省エネになり、おすすめです。
 LEDシーリングライトも売られていますので、買い換えの際は検討をしてみてはいかがでしょうか。消費電力が抑えられるだけではなく、一度取り付けたら約40,000時間と長寿命ですので、付け替えもラクですし、LEDは小さな虫が寄りつきにくいので、お掃除の手間が省けるのが嬉しいですね。
 しかし、LED電球は導入コストが高いので、リビングなど長時間利用する場所は白熱電球であれば、LED電球にして、洗面所やキッチンといった1時間程度の利用する場所は電球型蛍光ランプ、点灯時間が短いトイレなどは白熱球の20W型の電球にするなど工夫すると、比較的費用対効果が高くなるのではないかと思います。
 
 そして、照明器具のかさやカバーが汚れていると明るさが低下しますので、定期的に掃除するようにしましょう。

 他には、お料理の仕込みや勉強などを明るいうちに終わらせておいて、暗くなってからの照明の使用時間を減らすのも節電につながります。夏場は朝が早いので、早めに起きて勉強をしたり、趣味の時間を持つといった「朝活」は時間活用だけではなく、節電にもおすすめです。

< テレビ >

テレビの節電チェックポイント
□見ていない時は消す
□画面の音量と輝度を調整する
□画面をお掃除する

 朝起きたら時計代わりに、帰宅したらなんとなく習慣で、とりあえずテレビの電源をオンにしていませんか?音が無くてなんとなく寂しいというのであれば、ラジオはいかがでしょうか。他の電源からでも充電できるソーラーラジオなら、電気代もほとんどかかりません。
 そして、画面の音量は大きくなりすぎないように調整をして、明るさも若干暗くすると節電になります。使っているテレビに省エネモードがあれば(取扱説明書で確認してください)、上手に利用してみましょう。
 またテレビも照明と同じく画面を掃除すると、明るさが保てます。

< 温水洗浄便座 >

温水洗浄便座の節電チェックポイント
□使用後は便座のフタを閉める
□暖房便座や洗浄水の設定温度は低めに設定する
□夏場は暖房便座のスイッチを切る

 貯湯式の便座の場合、フタを閉めると開けっ放し時と比較して年間約770円の節電になります。※1
 また、暖房便座や洗浄水の設定温度を低めに設定すれば、合計で年間約880円の節電になります。※2

 そして夏場は暖房便座のスイッチを切るのも一案です。座ったときのひんやり感が苦手と言う方は、貼る便座シートが市販されていますので、取り入れてみてはいかがでしょうか。取り付けや洗濯が簡単なのでおすすめです。我が家では貼る便座シートで年中便座のスイッチはオフです。

< 炊飯器 >

炊飯器の節電ポイント
□保温をしない
□まとめて炊く

 炊飯器で3合炊いた場合と、3合を8時間以上保温した場合では、ほぼ同じだけの消費電力量になるというデータがあります。
 家族の人数にもよるかとは思いますが、少ない場合はまとめて炊いて小分けして粗熱を取ったものを冷凍もしくは冷蔵して、食べる時にレンジで温め直すと節電になります。
 保温をやめて、おひつを使って保存するのも、おいしさが保てていいのではないかと思います。

< 電気ポット >

電気ポットの節電ポイント
□長時間使用しない時はプラグを抜く

 ポットに満タンの水2.2リットルを入れ沸騰させたものを、1.2リットル使用後、6時間保温せずにプラグを抜いて、使う時に再沸騰させて使用した場合では、年間約2,360円の節約になります。※3

< 掃除機 >

掃除機の節電ポイント
□部屋を片付けてから掃除機をかける

 掃除機をかける際に、散らかったものを片付けながらかけると時間がかかり、その分電気代の無駄になります。片付けてから、掃除機をかければその分時間が短縮できます。
1日1分利用時間を短縮した場合、年間約120円の節約になります。※4

< ドライヤー >

ドライヤーの節電ポイント
□ドライヤーの使用時間を短縮させる

 1200wのドライヤーで乾かす際によくタオルドライをして、使用時間を3分短縮できれば、年間約482円の節約に。

< 待機電力 >

待機時電力の節電ポイント
□ガス給湯パネルを付けっぱなしにしない
 待機電力の20%(約6.6W)がガス給湯パネルです。お風呂から上がるときは、ガス給湯パネルを消す習慣を付けましょう。※出典:省エネルギーセンター家庭の省エネ大事典2011より

□電話機の子機の充電をやめる
 子機(約0.6W)は1度充電すれば、数日は使えますので充電しっぱなしは避けたいところです。1週間に1回の充電12時間した場合、年間約107円の節約に。

□節電タップのスイッチを付けっぱなしにしない
 節電のために使っている節電タップで、ランプが付くタイプのものは、その分電力がかかります。3つタップのスイッチが付いていれば約1W。増設タップとして使っているなら、節電どころか余計な電力を使ってしまうという皮肉な結果に。

 細かい節電方法もたくさんありますが、できることを取り入れてみましょう。

※1、2、3、4 出典:省エネルギーセンター家庭の省エネ大事典2012より
※5、6 出典:省エネルギーセンター待機時電力量の試算資料より

記事全文(PDF)