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藤井敏道氏・セメント協会 生産・環境幹事会幹事長/三菱マテリアル株式会社 常務取締役に聞く[後編]

縁の下の力持ち、セメントの循環型社会への貢献


国際環境経済研究所理事、東京大学客員准教授


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――セメント産業は高効率に資源やエネルギーを利用しているのですね。

藤井:セメント産業では自家発電設備を持っています。1トンのセメントを作るのに110kWh、年間にして60億kWhの電気が必要です。そのうちの約60%が自家発電で賄われています。自家発電でも単に火力発電所をもっているだけでなくて、セメントの焼成炉があり、排熱発電もやっています。また自家発電方法として、いくつかの会社ではバイオマス発電もやっています。セメント産業自体が熱エネルギーを有効利用していて、80%近くの利用効率です。普通の発電所では、だいたい40%程度でしょうから、セメントは高効率にエネルギー利用しています。

――今年の夏の電力対策はどうでしょうか。

藤井:セメントをどう作るかというと、石灰石や廃棄物を一度砕いて粉にして焼いて、クリンカという中間製品をつくり、もう一度粉砕してセメントを作ります。その間炉はずっと回さなくてはならず、粉砕工程では電力の安い夜に回しています。だから思ったよりも昼間の電力使用量は、比率としては少ない。逆に、今回の電力抑制の問題があった時には、たとえば東北地区では、グループ会社で一緒に電力を抑制します、あるセメント工場で余った余剰電力分を別の工場で使うというように。セメント会社自体もいろいろな省エネをやりましたが、逆に電力を供給することも併せてやっており、他のグループ会社を助けることもあります。

――では、今後のエネルギー政策の中で原子力発電についてどう考えていますか。

藤井:資源のない日本では、我々は常に新しいものを目指し、やっていかなくちゃならない。そういう中で原子力発電は、技術的に貴重な効率のよいエネルギーを生み出すものですから、もっと高いレベルを目指しながら安全に使える技術をどんどん蓄積していくべきです。原子力発電なしというのではなく、きちっと安全に使える技術を生み出していくほうがいいのではないか。そういう意味でも、やはり日本はナンバー1でなくてはいけない。ナンバー2では、だめです。ナンバー1を常に目指してナンバー2になったら、何クソと発奮して常にナンバー1を目指していかなくてはならない。原子力についても同じことが言えます。