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GDP拡大を求める発想の転換が必要に

浦野光人氏・経済同友会「低炭素社会づくり委員会」委員長/ニチレイ会長に聞く[後編]


国際環境経済研究所理事、東京大学客員准教授


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エネルギー政策について知ることは国民の義務

――東日本大震災、福島での原発事故後、国民の意識の変化は大きいです。

浦野:マインドの部分では、2011年夏に、国民が本気で節電について考えた。1990年対比でエネルギー消費が3割以上増えているのは、家庭と業務部門だけです。マインドの部分でみたときに、これはいろいろなやり方がある。例えば全量買取制度も、再生可能エネルギーへの意識を高めるという意味では、経済というよりもマインドの話です。エコポイント制度は、国民の環境意識を高めるうえで大きな役割を果たしました。これから重要になるのは、まずは教育でしょう。

――どのような意味で教育が必要とお考えですか。

浦野:日本の持っている潜在的な能力、また日本経済の状況も含めて、総合的な視点でエネルギー問題を考える必要があります。「安全」はエネルギー問題を考えるときに大事な側面であることは間違いありませんが、それがすべてではない。経済効率性や安定供給、自然環境との兼ね合いを含め、考えるべき要素が多様であることを政治家は国民に向けて発信すべきだし、国民の皆さんにも学んでもらわなくてはいけない。安全に暮らす権利はありますが、一方で、国民の皆さんはエネルギー政策について知る義務があるのです。

――エネルギー政策を知ることが、国民としての義務というのは大事な視点ですね。

浦野:わたしは日本国民には知る義務があると思っています。そうでなければ、日本のような資源のない国が、安全を含めたさまざまな要素を考慮してベストな解を導き出すための国民的な議論ができないじゃないですか。

――これから温暖化問題にしろ、エネルギーを減らす努力にしろ、私たち国民が義務を担っていると言うわけですね。

浦野:その通りです。家庭部門と業務部門、運輸部門とが、ハード、ソフト、マインドの3つの側面からきっちりと見直しを行い、共通目標に向かって進んでいく必要がありますね。

「エネルギー政策について知ることは国民の義務」と浦野会長は語る