産業9団体が京都議定書延長は受け入れるべきでないと共同提言


International Environment and Economy Institute


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 日本の産業9団体が、第17回気候変動枠組条約締約国会議(COP17)を前に「COP17に向けた産業界の提言」を行った。この提言のなかで、9団体は①京都議定書の延長を受け入れるべきではない、②日本の温暖化対策の中期目標の見直しは不可欠--の2点を強調。円高や突出したCO2削減目標に加え、東日本大震災をきっかけにした電力供給の不安定化で生活や産業活動に影響が出ていることを訴えた。

 今回の提言では、京都議定書が規定している削減義務を負う対象国が、2009年実績で地球全体のCO2排出量の26%しかカバーしていない点を指摘。主要排出国である米国や中国が対象になっていないことなど不公平で実効性の乏しい枠組みである点を問題視した。そのうえで、京都議定書の枠組みが継続された場合、国内の経済や雇用に大きな影響を及ぼす可能性などの懸念があり、京都議定書の延長を受け入れるべきではないと主張した。

 一方、前提条件付きで2020年までに1990年比25%のCO2削減を掲げる温暖化対策の中期目標についても見直しが不可欠と強調。震災以降、エネルギー基本計画が白紙から見直されるなか、温室効果ガス排出量の約9割がエネルギー起源であることから、日本の温暖化対策もエネルギー政策と表裏一体で検討し直すべきとしている。

 共同提言を行ったのは、石油連盟、セメント協会、電気事業連合会、電子情報技術産業協会、日本化学工業協会、日本ガス協会、日本自動車工業会、日本製紙連合会、日本鉄鋼連盟の9団体。政府に対し、交渉のなかで国際社会に国内事情を説明し、理解を得る努力を求めている。

 業界9団体による提言。京都議定書の単純延長などに強い危機感を抱いている
 COP17に向けた産業界の提言(日本語)(PDF)
 COP17に向けた産業界の提言(英語)(PDF) 記事全文(PDF)