日化協、カーボンライフサイクル分析(c-LCA)手法の指針策定に着手


International Environment and Economy Institute

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 日本化学工業協会は、温室効果ガスの排出削減で化学産業の貢献度の評価指標となる「c-LCA(カーボンライフサイクル分析)手法」のガイドライン策定に着手した。同協会内に設置したLCAワーキンググループを中心に検討を始め、2011年内にも指針をまとめる方針にしている。

 c-LCAは、原料の採掘から製造・利用・廃棄までの化学製品のライフサイクルの各過程で排出されるCO2の排出量を定量化し、化学製品の利用で削減されるCO2量を論理的・実証的に評価する手法の一つ。国際的な化学工業協会団体、国際化学工業協会協議会(ICCA)が2009年に作成した報告書でも紹介された。

 日化協は2010年から国内の最終製品使用でのCO2排出削減量の定量化に取り組んでおり、今年7月には、化学製品の貢献度をまとめた報告書を作成。この報告書では、再生可能エネルギー、軽量化・低燃費化、省エネルギーの3分野で、太陽電池やLED(発光ダイオード)照明、住宅用断熱材など9つの事例についてc-LCA評価結果を明らかにした。

 日化協は今後も、製品のライフサイクル全体に着目してCO2の削減度を評価するc-LCAの概念の普及を目指す考え。そのためには、c-LCA手法の信頼性の向上が不可欠なため、CO2削減貢献の定義や比較対象製品・技術の選定ルール、CO2排出削減貢献量の定量評価方法などのガイドラインを年内をメドにまとめる方針という。

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